ソ連にテクノポップ・バンドはいたのか?

前回、ロシアのガチのテクノポップ・バンド、ロボティを紹介しましたが、ソ連時代はどうだったのでしょう? ソ連時代にロックやポップ・アーティストは存在したという話は聞いたのですが、当時ソ連、いや全ての共産圏からアーティストに関してテクノポップ~ニューウェイヴの文脈で話題になることは、少なくとも僕の記憶ではありませんでした。しかしながら、閉ざされた国家体制の中でも、志を持った若者たちはちゃんと居たのです。

伝説のバンド、フォルム

今回紹介するのは、1983年にソ連で結成されたフォルム(Форум)というテクノポップ・バンド。英語にすれば、「Forum」です。ソ連で最初に生まれたテクノポップ・バンドかどうかは今後検証していきますが、少なくともこの分野で先駆け的な存在で本国で受け入れられた(メジャーとまでは言いません)バンドです。タイミングとしては、世界的なレベルでのテクノポップ~ニューウェイヴ・ムーヴメントとのタイムラグが3、4年ありますが、ソ連にこのようなバンドがいたこと自体が画期的であると考えます。

バンドの主要メンバー

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アレクサンドル・マロザフ

メンバーはかなり流動的で14人ほどの人たちがこのバンドに所属しました。Wikipediaを見てみると、バンドの首謀者とされているのが、アレクサンドル・マロザフ(Александр Морозов)。日本語表記としては、お菓子で有名なモロゾフの方がいいかもしれません。彼は、フォルム以降、現在も作曲家、歌手として活躍し、ロシア、ウクライナ、モルドバ(元々の出身)で「People’s Artist」に選ばれています。ロシア歌謡界の重鎮的存在です。

 

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ヴィクトール・サルトィコフ

初期のヴォーカリストであったのは、ヴィクトール・サルトィコフ(Виктор Салтыков)。彼もソロとして現在も活躍しています。


 
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アレクサンドル・ナザロフ

面白い事に、彼のサイトに書かれたフォルムの成り立ちを読んでみると、首謀者はマロザフではなく、アレクサンドル・ナザロフ(Александр Назаров)であり、ナザロフがマロザフを招いたと主張しています。 サルトィコフもナザロフも、フォルム前は別のバンドで活動していました。基本的に、マザロフが作ったメロディーをナザロフがアレンジし、サルトィコフが歌うという役割分担がされていました。