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愛すべき80'sな映画~Part 1 エレクトリック・ドリーム

『エレクトリック・ドリーム』は、MTV全盛時代のリチャード・ブランソン率いるヴァージンの映画事業参入第1号作品。モロダー・サウンドが奏でる男と女とコンピューターのビザー・ラヴ・トライアングル。

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

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1984年に公開された映画『Electric Dreams(エレクトリック・ドリーム)』(邦題では、「ドリームス」ではなく「ドリーム」となっています)をご存知でしょうか? この映画のエグゼクティヴ・プロデューサーは、ヴァージン・レコードのリチャード・ブランソン。なお、画像からリンクされているのは、英語版『エレクトリック・ドリーム』です。

ヴァージンは、レコード通販店として設立され、映画『エクソシスト』のテーマ曲としてブレイクしたマイク・オールドフィールド(ヴァージン・レコードの第一号契約アーティスト)の『Tubellarbells』の大ヒットをきっかけに、破竹の勢いで華麗なる成長を遂げたグローバル企業。チャレンジ精神溢れる起業家の理想像とも言えるリチャード・ブランソンは、現在ヴァージン・グループの会長として、ヴァージン・メガストア(ただ、日本では戦略を練り直した方がよさそうですね・・・)、ヴァージン・アトランティック航空、鉄道、旅行、映画館(六本木ヒルズにもありますね)、通信、放送、出版、金融、化粧品店、飲料、ブライダル、電気、ガスなど100社以上の事業(ヴァージン・レコードはEMIへ売却)を展開。

リチャード・ブランソンの著書『ヴァージン 僕は世界を変えていく』(1998年)は、彼の自慢話がいっぱいの自伝ですが、この『エレクトリック・ドリーム』について、ヴァージン・ミュージックとの相乗効果でテーマ曲『Together With Electric Dreams』がトップ10となったと紹介しています。その後、ヴァージンは、ユーリズミックスがテーマ曲を歌ったジョージ・オーウェル原作・未来映画『1984』(1984年)やデヴィッド・ボウイやパッツィ・ケンジットなどが出演した『ビギナーズ(Absolute Beginners)』(1986年)を製作するが、映画はリスクが高いとの判断で、映画製作からは手を引いてしまいます。

監督は、MTV時代の名プロモ・ヴィデオ監督、スティーヴ・バロンです。彼は、a-haの『Take On Me』、ダイアー・ストレイツの『Money For Nothing』、ヒューマン・リーグの『Don’t You Want Me?』、マイケル・ジャクソンの『Billie Jean』など数々のクリップを手がけています。『コーンヘッズ』(1993年)、『ミュータント・タートルズ』(1990年)などの映画監督もしています。

『エレクトリック・ドリーム』は、そんなヴァージンが、鳴り物入りで映画界にヴァージン・ピクチャーズとして参入した第1号作品なんですが、商業的成功を収めたとは言いがたく、多くの新規事業を成功させてきたヴァージンにとっては汚点なのかもしれません。

この映画が公開された当時、僕はサンフランシスコ近郊に住んでいました。この映画の舞台は、坂の多いサンフランシスコが舞台なんですね。アメリカで(2回も)見たのですが、それほどヒットしたとは思えない。日本でも映画公開もされたようで、後にヴィデオ化もされています。しかし、ヒット作でもなかったためか、現在までDVD化されていません。

どうしても、この映画を見たくてしょうがなくなった僕は、e-BayでVCD版(2番目のジャケ)をシンガポールから入手しました。VCDは、僕のパソコンのDVDソフトで問題なく再生されました。また、Yahoo! Auctionで、中古の日本盤VHSを落札するのも手でしょう。そんな不憫な『エレクトリック・ドリーム』ですが、これは愛すべき80年代B級映画の金字塔として僕はお勧めしたい。文字通りエレクトリックな夢が見たい人のために・・・

【映画のあらすじ】
【サウンドトラック】
【キャスト】
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