「デザインで差別化」を実践
グループ社員の優秀なデザイン事例を共有・発信
住宅の設備や性能ではもはや大きな差別化が図りにくくなっている時代、三井ホームグループはハウスメーカーとしての特徴である規格化、大量生産、標準化の流れに独自のテイストを加え、「デザイン・プレミアム。」という企業メッセ―ジを打ち出したのは前回の記事でも紹介したところです。
講演する深澤直人氏
ここからはガイドの私見ですが、住宅の世界に限らず、デザインはもはや企業経営や国の運営、家族の在り方やライフスタイル、様々な産業、営業や事務といった従来はデザインとは関係なかったともいえる世界にまで広がっており、かつそれが問題やひずみを解決するカギとして注目されているのは、書店でビジネス書でもデザインというタイトルや言葉が日常的に出ていることからもわかるでしょう。
限りなく広がるデザインの定義
デザインはもはやファッションや一部のクリエイティブディレクターやアートプランナー、芸術家や画家、美大や○○デザイナーだけが携わる分野ではなくなっています。乳幼児はオモチャのデザインに触れ、主婦や母親は家族や家事をデザインし、社長は会社経営をデザインし、働く人は働き方を自らデザインする。生きる人全てが生き方をデザインするデザイナーです。同社グループが手掛けた京都のホテルのルームプレート。和のデザインが粋。
これまでは「消費者は今何に悩んでいるんだろう」とニーズを洗い出し、それを解決する「モノ」をつくればOKでした。しかしこれからは、ニーズの裏側にある価値・ベネフィットを提案していくことが必要で、すぐデザイン設計にとりかかるのでなく、デザイン設計に入るまでの時間をクリティカルに「本当にそうか?」と疑って分析していくことから始めていくのだそうです。
これを今回フォーラムで登壇した世界的なデザイナー・深澤直人氏はとても分かりやすい例示で説明してくれました。