試行錯誤の上に
ガイド:今回、各著名人の方からのアルバムへのコメントが届いていますね。
HARDFLOORは、「ゲッカンプロボーラー全盛期到来」と!
僕も今回のアルバムを聴いて、デビュー前の90年代的ルーツから泣き虫青春テクノ的デビューそしてここまでに至るゲツプロを一度昇華して、ゲツプロを再構築されたと感じました。構想と製作には時間はかかったのでしょうか?
yas:
実は、制作開始当初は、EDM的なアルバムを目指してたんです。世界的なムーブメントだし、それを無視はできないし、乗っかっちまえ!って。何曲かそんな感じで作って。でも何か納得がいかなかったんです。流行りの音にゲツプロの歌詞をのせても相性が良くなかった。EDMサウンドを日本語で歌っても、ただただダサいだけなんです(笑)。
全部インスト曲にするか?とか結構悩みましたよ。それじゃゲツプロでやる意味ないし。これじゃダメだ!って気が付いて吹っ切れた感があったかな。結局、好きな曲、好きな歌詞を書いて、それをベストな音で表現する。ゲツプロの曲作りってこれしかないんですよね。新しい音とか感覚とかって常日頃から吸収しているはずなんです。作り方は同じでも今と昔では鳴らす音は全然違うはず。今回のアルバムは、10年間の成長を信じて作るしかなかったって事かな。
HIDE:
僕のこの10年の立ち位置は、弟→ファン→館長→マネージャー→メンバーと降格していったんですけど、今作は最初に戻って少し客観的に完成を待ちわびました。10年間の集大成ならやはりフルで在籍したyas主体で作らないと。あとはレーベルオーナーとして偉そうに、いいんじゃない、違う、ヤダ、おかわり、と口を出してました。構想はかなりの時間を費やしましたが、製作は割と早かったですよ。
TB303を教えてくれたHARDFLOOR
ガイド:オープニングの「ミナサンマルサン」は、ローランドのTB303に捧げたトラックですね。このブリブリマシーンは、アシッドハウスの名器、いやアシッドハウスそのものを創った機材としても知られますが、TB303との出会いはどの曲だったのでしょう?
yas:
もちろんHARDFLOORです。1stアルバム『TB Resuscitation』を高校生の時に聞いて人生が変わりました。
HIDE:
yasとは5つ歳が離れているので僕は小5のときです。『TB Resuscitation』は衝撃でした。
ガイド:
しかも、ラストのリミックスは、TB303の使い手としては第一人者のHARDFLOOR! HARDFLOORとは以前から親交があったと理解しますが、これはやはり、この曲はHARDFLOORのリミックスを熱望した結果ですよね。
yas:
HARDFLOORは高校生の頃からの憧れの存在。そんな彼等を2003年に自分のパーティー「dotechno!」にゲストLIVEとして迎えたんです。もう10年以上前か。彼等とはそれ以来仲良くさせて頂いてて、今回の話しが実現しました。リミックス選曲に関しては、相談の上で決定しました。歌ものの楽曲より、より彼等の良さが出せる曲を選んだ結果ですね。
HIDE:
2012年に今度は僕のパーティー「uFon」に呼んだんです。兄弟揃ってHARDFLOOR呼ぶ人いるのかな?? 去年彼らが来日した際にはゲーセン行ってエアホッケーしてボーリングしてプリクラ撮って… そのノリでリミックスしてよ、みたいな(笑)。小5から20年聴き続けてる僕のスターと… もう何だか分からないですね(笑)。
MVでは、「dotechno!」と「uFon」でのLIVE映像が観れますよ。
MINA-303 (Hardfloor vocal remix) MV (YouTube)