ギリシャ/ギリシャ基本情報

ギリシャの物価

旧通貨ドラクマ時代はかなり物価が安い印象があったギリシャですが、2002年のユーロ導入後はインフレ傾向にありました。その後、ギリシャの財政危機によっても物価が推移しています。飲食税なども増税したり減税したりと変化が激しいです。また2013年から大幅に収益がアップしてきた観光業ですが、島によってはホテルの宿泊料金がかなり高くなっています。ただし、人気の島でも値段が抑えられているところもあります。

有馬 めぐむ

執筆者:有馬 めぐむ

ギリシャガイド

ギリシャ危機後、値上がりしたもの、値下がりしたもの

kiosk

街中のどこにでもあるキオスク。水など飲料全般、スナック、アイスクリーム、地図、雑誌、公共交通機関のチケットなど多種の商品を扱う


ギリシャの通貨単位は2002年より導入されたユーロです。旧通貨単位はドラクマで、この時代にギリシャを旅行した人は、物価が非常に安い印象を持ったと思います。しかし今はユーロ通貨圏なので、特別安いということはありません。ユーロ導入後、2010年くらいまでインフレ傾向で物価はどんどん上昇し、都心の高級エリアのカフェなどで、コーヒー1杯の値段が5ユーロ以上など、異常なまでに高かった時期もありました。

その後、ギリシャ危機が勃発。経済が低迷し始めた2010年以後、当地で暮らしている者の実感としては、電気代やガソリン代などは値上がりしましたし、大増税が実施されたこともあり、急激に物価が安くなったとは感じません。

日本でも今年の4月から消費税が5%から8%に引き上げられましたが、ギリシャの付加価値税(日本の消費税にあたる)は23%まで引き上げられています。ものによって分けられていて、医薬品や書籍は6.5%、食品は13%に抑えられていますが、日用品は23%です。

しかしカフェのコーヒーやバーの飲み物、外食などは徐々に安くなっていきました。不景気によって人々の間に節約意識が生まれ、娯楽費が抑えられるようになったので、価格が下がったのでしょう。

ミネラルウォーター(500ml)は50ユーロセント(0.5ユーロ)で、街中にたくさんあるキオスク(ギリシャ語ではぺリプテロ)などで売られており、スターバックスなどチェーン系のカフェでもたいていこの値段です。コーヒーは低価格のカフェでは1ユーロくらいから、高めのカフェでも3.5~3.8ユーロと4ユーロ以下のところが多くなりました。

またアテネの公共交通機関の料金は比較的安めです。地下鉄、バス、トロリーバス、トラム共通で乗り継いだりしても90分間、有効なチケットが1.4ユーロです。ちなみにこのチケットは、2014年9月より1.2ユーロに値下がりしますが、有効な時間は70分間に短縮される予定と6月16日に発表されました。

ギリシャの大手スーパーマーケットチェーンなども構成メンバーに加わっている小売業の商品の価格を調査する非営利団体IELKAのデータによれば、ギリシャ危機以後、2011年1月から7月までが最も物価が高く、7月をピークに以後下降し始めました。2013年1月から3月までが最も物価が下がったそうです。

2012年に比べて2013年のスーパーの商品の価格は、乳製品や卵などはほぼ同じ、パンや肉、豆類、冷凍食品、洗剤などは値下がりしていますが、なんとスイーツやスナック類は値上がりしているとのこと。ここ数年は、かなり値上がりしているものもあれば、大幅に値下がりしているものもあり、スーパーは激安の店から高級路線までいろいろあるので、平均値としてはあまり大きな変化がないようです。しかし高級志向のスーパーなどでは2割くらい安くなったように感じています。

カフェやレストランの飲食税は?

ギリシャの観光業は、2013年から大幅に収益アップとなっています。旅行者の人々にとっては、カフェやレストランの飲食税が気になりますね。飲食税は2011年の9月に13%から23%に引き上げられましたが、観光立国であることを配慮し、再び2013年8月に13%に引き下げられました。2014年からまたアップするという増税案も出ていましたが、今のところ、13%に留まるようです。

カフェやレストランの価格については、相変わらず高級ホテルのカフェなどは高いですが、街中には低価格のカフェやレストランが激増しました。またホテル内の高級レストランで、以前はひとりあたり60ユーロくらいはしたところが25ユーロ前後のコースを用意したり、有名シェフのレストランでもディナーで45ユーロのコースを打ち出すなど、お値打ち感のあるものが多くなりました。

ホテルの宿泊料金は?

santorini

人気の高いサントリーニ島のホテル

ホテルはギリシャ危機後、値下げを余儀なくされたところも多かったですが、人気のリゾートなどは、時期によっては既に満室となってきており、徐々に値上がりが起こっています。

ホテル検索サイトのtorivagoによれば、ギリシャのホテルの宿泊料金は数年間連続して下がり続けていましたが、今年は現時点で21%アップしており、場所によってはかなり高くなっているところもあります。最も人気が高い島のひとつ、サントリーニ島のフィラでは2013年6月の平均宿泊料金が137ユーロでしたが、今年の6月は242ユーロ。77%アップしていることになります。同じくサントリーニのイメロヴィグリは257ユーロから501ユーロ、なんと95%もアップしています。

ミコノス島は平均46%アップ。人気の高い島でもロドス島は7%、コルフ島は2%の値上がりに留まっています。

かなり安くなったものといえば、家賃です。賃貸マンション(アパート)から一戸建てまで全般的に値下がりしています。アテネ周辺の大半のエリアで20~40%は値下がりしており、人気のエリアでも20~30%は確実に下がっていますので、数ヶ月、部屋を借りてロングステイする場合は、家具付きの物件などでも、かなりお値打ちなものが多くあります。

「2015年夏、最新情報 ギリシャの治安と付加価値税」の記事で、2015年7月20日から実施の付加価値税増税による飲食店やホテルの税率変更について解説しています。


※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※海外を訪れる際には最新情報の入手に努め、「外務省 海外安全ホームページ」を確認するなど、安全確保に十分注意を払ってください。

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