EU側との合意後、ホテルの予約状況は急激にアップ

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EUとの合意後、欧州各国からギリシャへのバカンスの足は途絶えず、ホテルの予約状況はアップ

ギリシャでは2015年1月の議会選挙で政権交代が実現、左派政権が誕生しました。以来、ギリシャ政府は緊縮の緩和や債務再編を求め、約5か月半の間、欧州連合(EU)や国際通貨基金(IMF)などと交渉を重ねていました。

協議の行詰まりにより、6月29日からの銀行休業、7月5日の国民投票と揺れ動いていたギリシャ情勢ですが、7月13日、ユーロ圏19カ国の緊急首脳会議で、ギリシャの財政再建策について協議し、金融支援の再開について合意しました。

ギリシャ情勢はかなり注視され、銀行の休業や国会議事堂前のシンタグマ広場の集会の様子などがニュース映像で流れたため、観光産業はキャンセルが出始め、ダメージを受けていました。しかしEU側と合意してからはホテルの予約状況が急激にアップしています。

毎年、ギリシャには欧州各国から多くの観光客がやってきますが、フランスやイギリスのメディアによれば、「ギリシャへのバカンスの足は途絶えず、むしろ増加傾向も」と伝えられています。7月17日付のギリシャ紙カシメリニによると、EUの協議において対立のあったドイツからも、合意後はギリシャのホテルの予約状況が21%アップしたとのことです。

デモは短時間で局所的、パニックや治安悪化などは確認されず

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国会議事堂前も集会が終われば通常どおり平和な光景が広がる

数年に渡る緊縮政策の下、生活が苦しくなっている人々が増えており、今回、合意した財政再建策はさらなる緊縮を強いられると反対の声をあげ、デモやストが起こっているのは事実です。しかし大半のデモはプラカードなどをさげた人々がただ通りを行進するといった平和的なものです。

たまにデモ隊と警官隊の衝突があって、催涙弾などの映像がテレビのニュースで流れます。そういう状況に遭遇したら、見物しないで巻き込まれないようにその場をすぐに離れてください。またそういった状況がずっと続くわけではありません。映像で繰り返し流されると、あたかもギリシャ全土で1日中、その状況が続いているような印象を受けてしまうと思います。

しかしデモでの警官隊との衝突は短時間、局所的なもので、都心のシンタグマ広場も、騒ぎのあった後にはすぐきれいに片付けられます。翌朝は普段どおり、きれいな広場になっており、国会議事堂前では観光客が衛兵の交替式を見学したり、人々がシンタグマ広場のカフェでくつろいでいたりと、いつもどおりの風景が広がっています。

またギリシャに限らず、欧州一円ではストライキは労働者にとってごく普通に認められた権利なので、現状に不満があればデモで声をあげて主張し、ストも躊躇なく行動に移しますので、ほとんど慣習といってもいいでしょう。旅行者にとって本当に困るのが交通機関のストですが、ギリシャでのストは大半が予告されますので、常にネットで情報収集をしたり、ホテルの受付でストに関する情報がないか確認しましょう。さらに日程に余裕を持たせて計画をたてておくとよいかと思います。

銀行休業中、買い溜めパニックなどの騒動や、治安の悪化なども確認されませんでした。なお、スーパーマーケットや食材店などの商品は、首都アテネでも地方でも通常どおりの品揃えで、特に今回の事態で品薄になったということはありません。

ただしどこでも不測の事態が起こり得る可能性がゼロとは限りませんので、情報収集は大切です。またスリや置き引きなどの軽犯罪はいつでも注意する必要があります。

外国発行のクレジットカードは制限なし、念のためユーロの現金を多めに

銀行休業中もATMで引き出しはできましたが、1日の上限額が60ユーロ、ギリシャで発行されたクレジットカードも上限額が60ユーロとなっていました。しかし外国で発行されたクレジットカードは制限なく平常どおりの限度額まで使用できるので、当初から観光客にとって困ることはないと発表されていました。

ただしクレジットカードや国際キャッシュカードでユーロの現金を引き出す場合は、ATMの紙幣の供給が追い付かなくなることで一時的に引き出せないという状況もあったようです。徐々にそのような状況はなくなっていますが、念のため、滞在日数に必要なユーロの現金を多めに持参したほうがいいでしょう。タクシー、庶民的なタベルナ、土産物店などではクレジットカードが使用できないこともあります。しかし街歩きの際などは、多額の現金を持ち歩かず、必要なだけの現金を所持するようにしてください。

7月20日よりギリシャの銀行は営業再開しましたが、まだ全ての業務が再開したわけではないので、両替は日本国内でしてくることをおすすめします。元々、ユーロは日本で両替する方がレートがいいです。詳しくはギリシャの通貨、両替、クレジットカード事情の記事をお読みください。

付加価値税改正でレストランやタクシー、公共交通機関、ホテルの税率は?

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カフェ、タベルナ、レストランなどでの飲食の税率が13%から23%に引き上げられた

ギリシャでは支援再開と引き換えに、増税や年金改革などの法制化を求められており、それらの財政法案の一部が既に議会で可決されました。それに伴い、2015年7月20日から付加価値税(VAT、日本の消費税にあたる)の増税が実施されました。

観光客がタックスフリーの店で総額120ユーロ以上の買い物を同一の店で同日にした際は、免税手続きをすれば払い戻しが受けられますが、飲食やホテル代などに関しては還付されません。

カフェやタベルナ、レストランなどでの飲食の税率が13%から23%にアップ。日本に比べてかなり安いタクシーですが、やはり13%から23%に、またタクシーの呼び出し料や荷物、空港や港からなどの追加料金が、それぞれ少し値上がりします。公共交通機関も23%の税率に引き上げで、地下鉄やバスのチケットなども若干値上がりします。船舶や飛行機代の税率も23%となります。

食品の付加価値税は大半が13%でしたが、細かく分けられて23%の税率のものが増えました。区分けが複雑で非常にややこしいのですが、13%に据え置かれたのは肉類(加工食品や一部の冷凍肉は23%)や魚介類(鮮魚、タコ、イカ、冷凍魚介類全般)、牛乳やチーズ、ヨーグルトなどの乳製品、卵、野菜、果物、オリーブオイル、ハチミツ、パン(菓子パンなどは23%)、パスタ(野菜などが練りこまれているものは23%)、米、小麦粉類、ミネラルウォーター(スパークリングウォーターは23%)などです。

一方、上記以外の魚介類、コーヒーやお茶全般、塩、コショウ、サフランなどのスパイスなど調味料、オリーブオイル以外の油脂、砂糖、酢などは23%となりました。洗剤や衛生用品などの日用品は以前から23%です。ちなみにアルコール類も元々23%で今回、変更はありません。

医薬品、書籍(新聞、雑誌含む)は6.5%でしたが、これらは6%になり、弱冠、税率が下がりました。劇場のチケットも6%です。

ホテル宿泊の税率は6.5%ですが、2015年10月1日より13%となります。よって今年の夏に関しては、9月いっぱいまで現行のままとなります。

ギリシャにはエーゲ海やイオニア海に浮かぶ島々がたくさんありますが、平均所得が高い島では、物価の高い島々に導入されている軽減税率が来年末までに撤廃される予定です。

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