「しっかりキャラ」の兄姉VS「頼りないキャラ」の弟妹
正反対のキャラクターになるきょうだいは多い
生来の気質にもよるため、すべてがこのパターンとは言えませんが、カウンセリングを通じて出会う人達も、私の友だちを見まわしてみても、多くがこの構成です。ドジな兄姉としっかり者の弟妹、というパターンも見られますが、いずれにしてもきょうだいは正反対にキャラクターになるケースが多いものです。
一般に、兄姉が「しっかりキャラ」でいるのは、幼児期に弟妹が生まれ、「赤ちゃんにお母さんを奪われる」という危機感の中で育つから。さらには、下の子の世話に追われる親が、「もう一人で遊べるでしょ」「さすが、お兄ちゃん(お姉ちゃん)ね」などと言いながら、「しっかりキャラ」にさせてしまう面もあります。本人も、「模範的な行動」(ご飯を残さずに食べる、弟妹の面倒を見る、など)をすれば、親が注目しほめてくれるので、ますます頑張ります。こうして、親に期待の期待に応えた「しっかりキャラ」を身につけていくのが、兄姉の王道です。
一方、弟妹が「頼りないキャラ」になるのは、「しっかり者」の兄姉が「何でもやってくれる」からでしょう。さらには、「上の子を早く成長させた分、下の子は甘えさせてもいいかな」という親の気持ちも影響しています。何かをやろうとすると、兄姉がすぐに助けてくれますし、親からは「お兄ちゃん(お姉ちゃん)に任せておけばいいのよ」と言われるので、弟妹は、安きに流されがちです。そのおかげで、のんびりと大らかに育ちますが、「怖いけど一歩進んでチャレンジしよう」「人に頼らず自分でやってみよう」という勇気は育ちにくくなってしまうものです。
兄姉と弟妹の間で繰り広げられる葛藤、ジェラシー
お互いを信頼しつつも、葛藤も抱えるのがきょうだいの宿命
対して弟妹は、親から注目される自分の立場に陶酔しつつも、何でも器用にそつなすこなす兄姉に、たまらなく劣等感を感じたりもしています。とはいえ、「兄姉のようにカッコよくやってみたい」と何かにトライしてみたところで、失敗ばかりですし、「まだ小さいんだからやっちゃダメ」「ほらやっぱり失敗した」などと言われがちで、自信がなかなか育ちにくいもの。幼さを理由に甘やかされてきたせいか、中途半端なところであきらめやすく、そんな自分にふがいなさも感じていたりするものです。