初演から12年という月日を経た今、黒田さんにとって
『SHOKU』はどんな存在ですか?
(C) TOKIKO FURUTA
実際に距離を置いて、いろんなツアーで作品を観ていく過程で、“よくできた作品だな”と思ったり、“気恥ずかしいな”と感じた時期を越えて、今は“ああ、よくぞ私のもとに降ってきてくださいました!”って思う。『SHOKU』をつくったのは24、25歳のとき。あのわからんちんだった時代の私のもとに、よく訪れて来てくれました、という気持ちでいっぱいです(笑)。
ワークショップの模様 (C) TOKIKO FURUTA
ワークショップ公演は今後も開催する予定ですか?
黒田>ぜひ続けていきたいと思っています。できれば『おたる鳥をよぶ準備』もやりたいんですよね。でも『おたる鳥をよぶ準備』は美術として、それぞれのダンサーの絵を描いたので、やるとなるともう一回描いてもらわなきゃいけない。もし今回みたいにダブルキャストになると、何枚も描かなければいけない(笑)。大変なことになってしまうので、ちょっと現実的じゃないかもしれません。あと『あかりのともるかがみのくず』もやりたいし、挑戦してみたい作品はたくさんあります。でもたぶん一番現実的なのは、『ペンダントイヴ』だと思う。もちろん、今回の『SHOKU』を成功させなければ次はないけれど……。
ワークショップの模様 (C) TOKIKO FURUTA
最後に、メッセージをお願いします。
黒田>12年前につくった作品が、新しいキャスト、新しい枠組みで、また全然違う呼吸のしかたをします。できたら、初日のBATIKの公演とワークショップ生公演の両方を観ていただけたらと(笑)。こうしてずっと上演し続けてる作品というのは、骨がどんどん太くなってきているもの。初演の作品を観るのとは、全く違う感覚があると思うんです。作品の皮膚の厚さ、骨の太さ、そうした部分も楽しんでいただけたら嬉しいし、それが一番いい形でできるよう精一杯努力したいと思います。
ワークショップの模様 (C) TOKIKO FURUTA