数々のコンクールで優勝し、権威ある団体に迎えられた本格派

世界が認めるチョコレート大国ベルギー。ベルギーには、伝統の、そして新進の辣腕ショコラティエが星の数ほどいます。そんなベルギーで、数々の世界的コンクールで入賞し、国を代表するショコラティエとして由緒ある協会に名を連ねるのは、至難の業。ここでご紹介するのは、そんなライバルひしめく同国で、2001年にはベルギーチョコレート終身大使に任命され、2010年上海万博には、上海万博でベルギー館を任されたこともある実力派のジャン=フィリップ・ダルシーです。
ベルギーチョコレート大使に任命されている

ジャン=フィリップ・ダルシー氏(c)Darcis

ゴディバやノイハウスといった伝統的な大手がほとんどブリュッセルに拠点をかまえているのに対し、チョコレート・ラインやデュモンといった、近年頭角を現したショコラテリの多くが北部蘭語圏発祥。そんな中で、ジャン=フィリップ・ダルシーの本拠地は、ベルギー南東部のヴェルヴィエ。風光明媚とはいえ、なかなかの田舎町です。

しかし、ダルシー氏は、若くして世界の檜舞台に飛び出し、ルノートル、ブルエ、リシャール、ヴィタメールなどクラシックなアトリエで、10年余り修行した後、自身のブランド『ジャン=フィリップ・ダルシー』を設立。世界的なコンクールにおいて多くの栄冠に輝き、ルレ・デセール、ベスト・ベルジャン・チョコレート・オブ・ザ・ワールド(BBCW)といった権威ある団体のメンバーに迎えられています。まさに、今日のベルギーを代表するショコラティエの筆頭といってよいでしょう。ベルギーチョコレート界の伝統の後継者であると同時に、次世代を先導する旗手としても注目されています。

 素材の品質や味わいを大事に生かす――ショコラティエとしての卓越した実力

多くのチョコレート店と軒を並べる

ブリュッセルの店構え

筆者が数年前、ヴェルヴィエのアトリエを訪れて驚いたのは、チョコレート部門、パティスリー部門、アイスクリーム部門と、それぞれに多くの若い職人を抱えて運営しているにも関わらず、本人が、全行程で、きめ細かく立ち入って確認していることでした。

素材自体が持つ繊細で独特の香りを極限まで引き出すこと、そのためには、カカオやクリームにこだわり尽くし、妥協しない――ダルシー氏が語ってくれた創作のポリシーが思い出されます。例えば、コキリコ(ヒナゲシ)のガナッシュを試作していたときのこと。欧州の夏の草原に咲く可憐な花。いかにその自然の柔らかい芳香を取り込むことができるか……。丹念に研究を繰り返していました。

ブリュッセル店は、心地よいオアシス

店内は喫茶になっていて、味見もできる

日本語を使えるスタッフが常駐している

そんなダルシーに惚れこみ、ブリュッセル旧市街グランプラスの脇にダルシー・ブリュッセル店を任されているのは、旅人や外国人の心を知りぬく日本人。多くの名門ショコラテリが軒を連ねる界隈で、唯一、喫茶を併設しているので、美味しいケーキやチョコレートをその場で味わうことができます。チョコレートだけでなく、旅人には持ち帰りの難しいケーキやマカロンも、ここで味わうことができます。種類こそ、ラ・デュレ(日本でもおなじみのフランスのマカロンの老舗)にははるかに及ばなくとも、シャンパン味やベルギーの伝統菓子キューベルドン味などがあり、食べてしまうのが惜しいほど見た目も美しいもの。観光や買い物に疲れたら、ここで一服。パリやNYのサロン・ド・テとは違って、気取らないサンパな雰囲と、極上の甘さが、ゆっくりと疲れを癒してくれるでしょう。

奇をてらい過ぎないオリジナリティ、小さめサイズが日本人には嬉しい

見た目もカラフルでお土産にも好評だ

原産地別カカオを使ったチョコレート

昨今では、カイエンペッパーやわさびなど、世界各地の一風変わった香辛料を使った新作が目をひくチョコレート界にあって、ダルシーの魅力は、奇をてらいすぎないところが嬉しい。欧州の花々やフルーツのバリエーションに加え、近年は、原産地別カカオのシリーズが人気です。どれも、他社よりやや小さめで甘みも控えめなところが日本人には喜ばれる味わいと言えるでしょう。


 
キラキラ光って、宝石のようだ

ベルギー伝統の駄菓子キューベルドン味のマカロン

ちなみに、見た目も味も素晴らしいマカロンもお奨め。写真は筆者が特にお気に入りの、ベルギーの伝統駄菓子キューベルドンのベリーシロップを使ったマカロンです。






<DATA>
ブリュッセル店 (日本語のできるスタッフ常駐)
住所:Rue Au Beurre, 40, 1000 Bruxelles
TEL:02 502 14 14
アクセス: 徒歩圏内、グランプラス脇、証券取引所方向
営業時間:年中無休
11月~3月は、10:00~19:00、4月~10月は、10:00~20:00

ヴェルヴィエ本店
住所:Crapaurue, 121-123, 4800 Verviers
TEL:+32 (0)87 33 98 15
アクセス: ベルギー国鉄SNCBにて、ヴェルヴィエ駅まで約1時間半。徒歩約10分
営業時間:日・月・祝日休業、火曜~土曜は7:00~18:00


ヴェルヴィエ本店には、ランチまで食べられる広いティールームが併設されています。ベルギー国内では、このほか、リエージュ、ナミュールなどフランス語圏都市にでも展開

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