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政府は2020年度までに住宅の耐震化率を95%に引上げようと必死だ。

日本列島の太平洋岸では、プレートの潜り込みによる地震が一定周期で繰り返し起こっており、このことがわが国を「地震大国」と言わしめています。

私ガイドは東京23区内に住んでいますが、ゴールデンウイーク中の5月5日早朝5時過ぎに最大震度5弱の地震が発生し、東日本大震災の再来を予感しました。さらに、8日後の5月13日にも千葉県北西部を震源とする最大震度4(23区は震度3)の地震が発生し、緊張感を覚えたのを記憶しています。東京都心部で本当に首都直下地震が発生したら、日本経済は致命的な打撃を受けるだろうと、悪い意味で想像をかき立てられました。

そこで、政府の国土強靭化計画では2020年度までに住宅の耐震化率を95%まで引き上げる数値目標を掲げました。2008年度現在、住宅の耐震化率は79%にとどまっており、阪神淡路大震災(1995年)では死者の9割近くが建築物の倒壊や家具の転倒によって亡くなったことを教訓に、住宅耐震化の促進に力を入れています。

旧耐震の分譲マンション 耐震改修を実施する予定はない:19.0% 

しかし、その実現は決して容易でないことが今春に国土交通省から公表された「平成25年度マンション総合調査」から明らかになりました。マンション総合調査とは、マンション管理に関する基礎的な資料を得ることを目的に、マンションの管理状況やマンション居住者の管理に対する意識などをヒアリングした調査です。おおよそ5年ごとに実施されており、最新結果が4月23日に公表されました。

それによると1981年以前に建設された、いわゆる旧耐震の分譲マンションの58%が耐震診断を受けていない事実が判明しました。

<耐震診断実施の有無、および、その結果>
  • 耐震性があると判断された…………………………………………16.2%
  • さらに詳細な耐震診断を実施する必要があると判定された……6.2%
  • 耐震性がないと判断された…………………………………………10.8%
  • 耐震診断をしていない………………………………………………58.0%
  • 不明……………………………………………………………………8.8%

さらに、そのうちの19%が「実施する予定はない」と回答しており、管理組合の危機意識の欠如を感じずにはいられません。

<耐震性がないと判定されたマンションの耐震改修の実施の有無>
  • すでに実施した………………………………………………33.3%
  • まだ実施していないが今後、実施する予定………………47.6%
  • 実施する予定はない…………………………………………19.0%

やや話が飛躍するかもしれませんが、現在、隣国の韓国では「安全不感症」が蔓延し、深刻な社会問題になっています。今年4月に旅客船セウォル号が沈没し、修学旅行生を含む300名以上の死者・行方不明者が発生したからです。さらに、その16日後にもソウルの地下鉄で追突事故が起こり、約240名が負傷しました。経済成長を最優先し、安全を後回しにする国民体質(=安全不感症)に原因があるのではないかと指摘されています。

世帯主年齢 2世帯に1世帯が60歳以上という「高齢化」の現実 

話をもとに戻し、こうした「安全不感症」ともいえる危機意識の希薄化が管理組合にはびこる理由の1つとして、私ガイドはマンション居住者の高齢化が一因ではないかと推察しています。平成25年度マンション総合調査によると、世帯主年齢は「39歳以下」が7.8%、「40歳代」が18.9%、「50歳代」が22.8%、「60歳代」が31.1%、「70歳以上」が18.9%でした。ちょうど2世帯に1世帯(50.0%)が60歳以上という高齢化に突入しています。

 

世帯主年齢60歳以上の推移

 

上表からも明らかなように、世帯主年齢は年を追うごとに高齢化しています。年齢を重ねると、どうしても精神的にも肉体的にも行動能力は衰えます。もちろん、元気な人も大勢いるでしょうが、加齢に伴いマンション管理に対する意識は薄れがちです。組合運営よりも自分の健康のほうが心配になり、マンション管理への無関心化を加速させます。由々しき事態といえるでしょう。実効性のある対策が求められます。

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