JR山手線「目黒」駅から徒歩3分
現在、目黒駅前(東口)は大規模な再開発が進行中だ。敷地面積約2.3ヘクタール、計画では超高層ビルが3棟立ち並ぶ。そのうち住宅(タワーマンション)は900戸超。工事完了が2017年12月予定(東京都都市整備局公式サイトより)。数年後、界隈の景観は一新するだろう。その区域の南側に隣接する、城南五山の一画「花房山」と呼ばれる場所に、このたび2棟の賃貸マンションが竣工した。「Knot(ノット)」と「Seed(シード)」は、中庭を挟み、コンクリート打ち放しを基調とした外観の建物である。ともに地上5階建て(壁式構造)、店舗が5区画、住居は(SOHOと合わせ)総戸数31戸。
住戸面積は50~90平米、SOHO用途も含め、まず特徴のひとつはバリエーションが豊富であること。いくつかのタイプでは、空間を大型スライドドアで区切り、あるいは緩やかにつなげられたりと、目的に応じて変えられるようにしている。さらに住戸同士を(上下、左右に)つなげることも想定した構造のフロアもあり、じつに柔軟な発想で建てられていた。
まるで一戸建てのような通風、採光
内覧の感想を一言でいえば、「まるで一戸建てのような通風と採光」を得られること。「Knot(ノット)」15戸、「Seed」16戸に対してエレベーターは2基ずつ、計4基設置している。このことからもわかるように、各住戸フロアを廊下でつなげていないため、3面採光や4面採光が実現したのである。そもそも建物自体が非常にゆとりを持って建てられている。敷地面積「Knot(ノット)」873.8平米、「Seed」651.04平米に対し、建築面積はそれぞれ355.31平米、359.52平米。指定建ぺい率は60%だが、「Knot(ノット)」に至っては40%程度しか活用していない。これは従前の緑地を極力残したかったからだという。
右上や下の画像では、大きく開かれた開口部からは立派な木々の緑や高台ならではの景色が存分に楽しめ、ぜいたくな設備(EV)のおかげでお互いの見合いは圧迫感を覚えることなく、視界の抜けが開放感を助長させる仕掛けになっていることがご理解いただけることと思う。
「細部の仕上げ」と「資産活用」
ディテールについても触れておきたい。上のリビングダイニングの画像、窓のサッシュ枠が見えにくくなっているのがお分かりいただけるだろうか。景色を美しく切り取る隠し框を採用しているのだが、特筆すべきは網戸のおさまりなども同様の発想が徹底されているところ。天井にも注目。下り天井を出さずに、カセットエアコンが面一(ツライチ)ではまっている。ストレスフリーな空間は、細部にわたる技術の集積をもってはじめて達成できるといえるだろう。資産運用の観点からも、当プロジェクトの特徴が伺える。前述したように、隣り合う住戸や上下の住戸を一体にできるだけでなく、棟同士も分筆して登記がなされている。将来にわたって、柔軟な資産活用ができるよう、あらかじめ考えられることはすべて講じたようだ。
所在地:品川区上大崎3-10-50
用途地域:第一種中高層住居専用地域
防火地域:準防火地域
高度地区:第二種高度地区
指定容積率:200%
延床面積:Seed 1395.53平米、Knot 1348.63平米
設計監理:宮崎浩/プランツアソシエイツ
構造設計:T&Aアソシエイツ
設備設計:総合設備計画
施工:大成建設
サイン・グラフィック:薄井滋
プロジェクトコンサルタント:カガミ建築計画+API
工期:2013年3月~2014年5月
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