「六本木ヒルズレジデンス」の防災対策

イベント冒頭のプログラムは「六本木ヒルズ」防災対策の概略の説明

イベント冒頭のプログラムは「六本木ヒルズ」防災対策の概略の説明

「六本木ヒルズレジデンス」は鋼板のなかに高粘度の物質を注入することで揺れを低減する「粘性壁」を採用(各階8基ずつ)。これは制振構造の一種である。また柱(鉄管)内部に高強度コンクリートを充填した「CTF柱」を使い、耐力、変形能力に優れた骨組としている(森タワー、六本木ヒルズレジデンスB・C棟など)。

「六本木ヒルズ」(森ビル)は「逃げ出すのではなく、逃げ込める街」をコンセプトに72時間稼働の非常用電源を確保するなど災害に強い街づくりを目指す。この度、同社は街に暮らす人がいざというときあわてることのないよう、災害時の疑似体験会を催した。

同社は東日本大震災を機に、大規模災害発生直後の「自助」について対策を見直し、管理運営する約3,000住戸に防災備品バッグ「エマージェンシーキット」を配布している。備品の解説と実際に体験してみるイベントは、「防災の日」(9月1日)を明後日に控えた8月30日(土)「六本木ヒルズレジデンス」43階スカイラウンジにて30分入れ替え制で実施された。

「エマージェンシーキット」の中身

ドライタオルの消費期限は5年

ドライタオルの消費期限は5年

「エマージェンシーキット」に収められているグッズは全部で11点。1点目は備品を収納しているバッグ。防水加工が施されているため、これ自体が災害用井戸から生活用水を運ぶ容器となる。肩で背負うためのストラップが付けられる。2点目は飲料水用のタンク(10リットル)。コックと蛇口が付いているので調整が可能だ。3点目は重い水や荷物を運ぶためのキャリーカート。

4、5点目は身体を清潔に保つための「ドライシャンプー」「ボディタオル」。「ドライシャンプー」はムース状のシャンプーを手で髪に付け、櫛などで梳かした後ふくだけ。ボディタオルは300mm×600mmの大判サイズが特徴。ノンアルコール、無香料、無着色で未開封の場合5年間保存(利用可能)。

6、7点目は停電時室内を照らすランタン、ライト。LEDを用い、それぞれ70時間、100時間点灯することができる。ランタンはテーブルに置くだけでなく、紐が付いているため吊り下げても使用可。その他簡易トイレ、絆創膏、軍手、ガムテープで計11点。

入居者に防水バッグやキャリーカートの使い方を説明する森ビル社員

入居者に防水バッグやキャリーカートの使い方を説明する森ビル社員


非常用電源稼働時用の照明、コンセント

各住戸内には非常用のダウンライト(黄色スイッチ)とコンセントが用意されている

各住戸内には非常用のダウンライト(黄色スイッチ)とコンセントが用意されている

イベントのプログラムは冒頭「六本木ヒルズ」街全体の防災について解説があった後、「ドライシャンプー」「ボディタオル」「簡易トイレ」などの使い方を教わる。次にゲストルームを用い、実際に停電した状況でのランタン・ライトを体験。最後に大量に水の入ったバッグを持ったり、キャリーカートで引いてみる。

印象的だったのは、暗闇での疑似体験。いざというときあわてないためには、こうした「普段では有り得ない状態を経験しておく」ことが重要だと思った。

灯かりに関しては付加説明があった。「六本木ヒルズレジデンス」の各専有部には、電気設備として停電時用の照明、コンセントが備え付けられている。普段は通電していないが、停電した際防災センターで電源を切り替え、ダウンライトとコンセントが使用可能。目印として照明スイッチは黄色、コンセントの枠は茶色に。入居者の方々もこの機会を通して再認識できたようだ。

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