ノミによる被害
■ノミアレルギー性皮膚炎(粟粒性皮膚炎)ノミは吸血するときに、血が固まらないように抗凝固成分(ハプテン)の入った唾液を猫の身体に入れます。これがアレルゲンとなった猫はノミアレルギーを起こし、背中から腰~しっぽにかけてや内股にひどいブツブツが大量にでき粟粒性皮膚炎を起こし、激しく掻きむしったり脱毛します。掻きむしりで血まみれになったり、痒さで情緒不安定になることもあります。
人も刺されると熱を持った小さなしこりができ、しつこい痒みがいつまでも続き、ひどくなると大きな水疱ができたりします。
■猫ひっかき病
猫に引っかかれたり、咬まれたりしたときに、ノミが媒介するバルトネラ菌に感染し、リンパ節の炎症や発熱を引き起こすことがあります。この菌はノミが感染猫から他の猫へうつします。
■瓜実条虫症(サナダムシ)
ノミの体内には、瓜実条虫(サナダムシ)という内部寄生虫の幼虫が潜んでいるので、猫がノミの卵を飲み込むと、お腹の中で虫が増殖し、下痢や体重減少などを引き起こします。猫の寝床やお尻まわりに白い小さな米粒のようなツブツブがついていたら、それは瓜実条虫がちぎれて乾燥したものです。乾燥した米粒のようなものを見つけたらノミを駆虫すると同時に、瓜実条虫に効果がある駆虫薬も飲ませる必要があります。一度の投薬で完全に落ちるとは限りませんので、数ヶ月間定期的にノミの駆虫と共に駆虫薬を飲ませてください。瓜実条虫は、人にも感染することがあります。
この他、子猫や身体が弱っている猫にノミが大量に寄生すると、貧血を起こしたり鉄分の不足を起こすことがあります。
コロコロで、ノミチェック
外に出る猫はダニにもご注意
外に出て行く猫であれば、どんなところでもマダニに感染する可能性があります。マダニは頭や耳などの比較的毛の薄い柔らかい部分を好み、一度食いついたら数日間離れません。マダニは原虫、細菌、リケッチア、バルトネラ、ウイルスなど多くの病原体を媒介します。また、耳の中にコールタールのような真っ黒な耳あかが詰まっていれば、耳ダニが疑われます。猫は痒みで掻いたり、頭を振ったりします。耳掃除して耳の奥にダニを押し入れてしまうと治療がやっかいになりますので、すぐに動物病院に行きましょう。猫同士で簡単に感染しますので、同居猫に耳ダニが発見されなくても同時に投薬治療をお勧めします。
どうすればノミやダニを退治できるでしょう?!