【目次】
・『DEN』とは?
・3LDK+DENのある間取り
・DENをどう使う?
・DENがあるメリットって?
・DENが間取りのどの位置にあるかが重要!
・DENと合わせて知っておきたい表記
『DEN』とは?
『DEN』はもともと巣、穴、ねぐら、ほら穴、隠れ家、密室、巣、巣窟、そして私室である書斎・仕事部屋などを示します(研究社 新英和中辞典より)。マンションの間取りでも明確な定義はないのですが、書斎や趣味の部屋などとして活用できる隠れ家のような小部屋のことをDENと呼んでいます。
3LDK+DENのある間取り
それでは具体的にDENのあるマンションの間取り例を見てみましょう。この間取りは専用床面積98.29m2、間取りは3LDK+DEN+WIC+SIC※、4~5人家族向けの間取りです。間取り図中ピンクの部屋がDENです。この間取りのDENは約4畳で、窓はありますが収納はありません。面積が小さいこと、収納がないことから個室としては使いにくいですが、窓があり採光・通風は確保できるので居心地はよさそうです。
DENをどう使う? ライフスタイルに応じて様々な使い方が可能
この間取りのDENは約15畳のリビングダイニングと約7畳の洋室(1)と隣り合い、引き戸を介してつながっています。バルコニーに面して窓もあり、この住まいの中でも比較的よい位置に配されています。このような条件を加味して使い方の例を挙げてみましょう。1)リビングルームと一体に使用して約19畳の広々リビング・ダイニングに
2)リビングからも寝室からも使える書斎やパソコンコーナーとして
3)子どもが小さい頃は、子どもの遊びコーナーや寝室として
4)奥様のSOHOルームとして ※
5)定年退職後の夫の居場所として etc
※SOHO=在宅ワーク
DENがあるメリットって? 家族構成の変化に対応できる
DENがあることで、家族構成の変化への対応がしやすくなります。例えば「夫婦+子ども3人」の5人家族がこの間取りのマンションに住んだ場合、子どもが小さい頃は両親と一緒の部屋で寝たりするので、洋室が3つでも問題ありません。けれど、子どもが成長してそれぞれに個室を与えたいと考えた時に、個室が1つ足りなくなります。※夫婦は寝室として洋室(1)を使用していると想定。
その時の対応例として、夫婦の寝室として使用していた洋室(1)を2人の子どもにあてがい、夫婦は洋室(3)に移動します。洋室(1)とDENを合わせると11畳になるので、空間をうまく分けて2人の子ども部屋として使うのです。
空間の分け方に工夫が必要ですし、少々窮屈かもしれませんが、子どもはあっという間に巣立っていきます。間取りのリフォームをしなくても、DENを有効に活用して乗り切ることは可能です。
DENが間取りのどの位置にあるかが重要!
DENのある間取りを選ぶ際は、ただDENという空間があればよいのではなく、今回ご紹介した間取りのように、効果的な位置にDENがあるかどうか、隣り合う部屋との関係性などに目を光らせ、魅力的な間取りを見つけることがポイントです。繰り返しになりますが、子どもが小さい頃は遊びのスペースや勉強コーナーとして、子どもが大きくなれば奥様のSOHOコーナーや定年退職後のご主人の居場所として、いろんなシーンで役に立つでしょう。
DENと合わせて知っておきたい表記
マンションの間取り図を見ていると、DEN以外にも『S』や『N』、『WIC』『SIC』などの表記があります。これらがどんな部屋か分かりますか?答えは『S』や『N』は納戸、『WIC』はウオークインクロゼットの頭文字を取ったもので、歩いて入る広めのクローゼットのことです。『SIC』はシューズインクロゼットの頭文字で、靴を収納する小部屋のことを言います。
【関連記事】
マンションの間取りの基本:妻側(つまがわ)住戸
マンションの間取りの基本:スキップフロア型
マンションの間取りの基本:2戸1型
マンションの間取りの基本:階段室型
マンションの間取りの基本:外廊下型
マンションの間取りの基本:田の字プラン
マンションの間取りの基本:アクセス方式
Copyright(c)2018 住まいのアトリエ 井上一級建築士事務所 All rights reserved.