中古マンションの成約件数は、2013年は5,000件増加
築20年以上のマンションストックは、2025年には約272万戸に
東日本不動産流通機構発表の2013年首都圏中古マンション成約件数は、35,432戸。2012年から5,000件以上の増加です。大きな伸びを見せた新築マーケット同様、中古マンション市場も大きく拡大しました。中古マンション市場の中で、単なる修繕リフォームではなく、プランニング段階からインフィル部分を設計しなおし、今のライフスタイルに受け入れる住戸として供給され、ユーザーに高い支持を受けているのがリノベーションです。
インフィルの経年劣化でリノベ―ション等が必要とされる首都圏のマンションストックは、2012年の153万戸から2025年には272万戸に増える見込み(東京カンテイのデータを基に算出)。マンションの建替え実績が全国累計で183棟、約14,000戸(2013年4月時点 国土交通省による)であることを踏まえると、今後ますますリノベーションのニーズは増えそうです。
こうした中、年間中古マンション販売戸数約1,100戸のインテリックスと年間中古マンション販売戸数約400戸のスター・マイカが今回はじめて共同で事業をすることになりました。
インテリックスは、1995年に設立。リノベーション事業に早期から取組み住戸ごとの設計施工のため品質の確保や効率化が難しい中、独自の施工方法を確立し内装品質の高さやスピーディーな施工などを強みとしています。主な仕入対象は空室の分譲物件でフロービジネスが中心です。一方、スター・マイカは、2001年の設立。ストックとフロービジネスの融合に特徴があり、賃貸管理ノウハウに強みがあります。主な仕入対象は賃貸中の分譲物件(オーナーチェンジ物件 主に50平米以上)です。
両社は、中古マンション市場の一層の活性化を目指し、今までの実績やノウハウを活かし共同での取り組みをスタートします。その第1弾として南青山でフルリノベーション物件の販売をスタートします。物件の提供は、スター・マイカが行い設計・施工はインテリックスが実施。企画協力は両社で行います。狙いとしては、将来的(案)な共同での資材調達や販売連携などが想定されています。
今後の住宅市場の行くへを見据えて、新規にリノベーション関連の参入事業者が増加しています。そうした中、いち早くマーケットの整備と事業者としての地位の確立も今回の提携の意図としてあるのではないでしょうか。
インテリックスの山本社長が2013年まで会長をつとめ現在も理事に就任するリノベーション住宅推進協議会。2009年の発足当初は、117社だった会員数は2013年度には405社に増え全国に広がっています。ストック型への移行をビジネスチャンスと捉えている企業も多いようです。
また、国の施策面での後押しもあります。一定の質の向上のための改修工事が行われた中古住宅の登録免許税の軽減措置など買取再販物件で一定の要件を満たす物件は政策面でサポートされます。
次ページでは、第1号物件の内部を紹介します。