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上場インフラファンドの整備に向けての動きが加速

日本取引所グループは、2015年度にも上場インフラ市場を創設する方針を打ち出し、現在、インフラ施設業者など関係業者に対して各種ヒアリングを実施している最中。果たして、どのような上場商品になるのでしょうか。

鈴木 雅光

執筆者:鈴木 雅光

投資信託ガイド

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上場インフラ市場とは?

上場インフラ市場については、昨年5月に上場インフラ市場研究会が、「上場インフラ市場研究会報告」と名付けたレポートを公表。各種制度整備が進められると共に、関係業者へのヒアリングが行われてきました。

上場インフラ市場というのは、たとえば港湾や空港など施設の運営権(コンセッション)や、太陽光発電施設などに投資するインフラファンドを上場するマーケットのことです。

何となく、J-REIT市場に近いイメージはありますが、J-REITとは完全に切り離され、別マーケットとして創設されることになりました。それはインフラ施設などを組み入れて運用するという点で、オフィスビルや商業施設などを組み入れるJ-REITとは投資リスクなどが違ってくるため、投資家が混乱する恐れがあるからです。

上場インフラ市場の整備によって、従来、国が行っていた各種インフラ整備にかかる資金面の負担が軽くなります。ご存じのように、日本は今、財政難ですが、一方で古くなったインフラの整備が喫緊の課題になっています。国からすれば、財政負担を増やさず、ファンドを通じて資金を集めることができる、このスキームは大歓迎ということなのでしょう。

一方、投資家にとっては、投資対象が増えるというメリットがあります。特に、太陽光発電施設に投資するインフラファンドは、FIT(固定価格買取制度)によって20年間、発電した電気の買取価格が決まっていますから、非常に安定したキャッシュフローが期待できます。現状、J-REITの配当利回りは3%台半ばですが、太陽光発電施設の場合、それ以上の利回りが期待できるとも言われています。

年5~6%程度の配当利回りが得られれば、利回り商品としての魅力は非常に高いといえるでしょう。すでに、いちごグループホールディングスやタカラレーベンなどが、上場インフラ市場創設時に、太陽光ファンドを上場させるべく動き出しています。

なお、上場インフラ市場に上場されるファンドの形態は、投資法人型の他、信託型、債券型などいろいろな種類が検討されているようですが、現在行われている業者ヒアリングでは、投資法人型での上場を望む声が多いとのことで、形態もJ-REITと同じ投資法人として登場する可能性が高いといえるでしょう。

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