変性皮脂って何?
前回の記事「洗顔料は使うべき?朝の洗顔を考える」でもご紹介した、「変性皮脂」。これは、毛穴から分泌された皮脂の一部が時間の経過と共に変化したもので、不飽和脂肪酸のことを指します。変性皮脂により、肌は様々なダメージを受けることが分かっています。今回は、この変性皮脂が及ぼすダメージを、いくつか実際のデータを見ながら確認していきたいと思います。
変性皮脂は、水やお湯では落とせない!
変性皮脂が肌に及ぼすダメージをお話しする前に、変性皮脂がいかにお水やお湯だけでは落とすことができないか、という点を復習しましょう。毛穴の開きが最も目立つ部分は頬です。頬には毎日、日焼け止めクリームやファンデーションなどが、塗られ落とされ、を繰り返しています。
特に毛穴には、これらが埋まりやすく、なおかつ毛穴の奥から皮脂も分泌されるので、常に汚れが溜まった状態になりやすい部分です。
そんな溜まった汚れを適切に落とせているか、というデータが下の写真になります。
黒地に白い点々がありますが、この点々は毛穴の常在菌の代謝産物であるポルフィリンです。洗浄により常在菌が落とせていないということは、一緒に溜まっている皮脂も残っていると考えられます。
洗浄する前後で比較観察すると、一目瞭然、お湯だけと比べて、洗顔料を使った方がより落とせています。お湯洗顔では、ほとんど変化が見られないので、落としきることができないと言っても過言ではありません。
また、お水よりお湯の方が汚れが落とせると思いがちですが、こめかみのような洗いづらい部位だと、お水とお湯の差がほとんどないことが分かります。このような理由により洗顔料を使用することをおすすめします。
また、「朝の洗顔に着目すると、洗顔料を使用しない人が増えている」というお話も前回の記事でご紹介しました。夜間にも皮脂は分泌され、時間の経過とともにその一部は変性し、肌に悪影響を及ぼす可能性があることが分かっています。朝に洗顔料を使用しなければ、夜間に分泌された変性皮脂を十分に落とすことはできないのです。