大学生の就職活動

最終面接で合格するために持っておくべき考え方(2ページ目)

5月も中旬に入り、内定がもらえず苦しい想いをする学生に共通する悩みが「最終面接が通らない」ということ。今まで筆記試験、グループディスカッション、1次面接と数々の関門をクリアしてきても、最後の最後にある最終面接で合格を得なければ内定獲得にはならない。今回は最終面接不合格者によくある課題の1つである「志望度の高め方」を解説していく。

小寺 良二

執筆者:小寺 良二

ライフキャリアガイド

企業への志望度は「成長加点思考」で高める

私はよく国や自治体の若者就労支援研修を依頼され、講師として正社員を目指す若者に研修をする機会がある。その際によく聞くのが「なぜ皆さんは正社員になりたいのですか?」という質問。

「雇用が安定しているから」 「福利厚生が充実しているから」 「ボーナスが出るから」など、正直で切実な答えが挙がってくるのが常である。

しかしこれがまさに評価につながらない加点思考」なのだ。どんなに給与が高く福利厚生が充実している企業であっても、それを目的に志望されてはまったく嬉しくない。Give and Takeで言えば「Take(自分が得ること)」中心の思考だと、どんなに想いが強くても誰も評価してくれないのだ。

ではどんな視点であれば企業側の期待やニーズともマッチするのだろうか?私は企業を見る際には「成長加点思考」を持つべきだと思う。

要は「その企業の特徴や仕事は、自分の将来的な成長においてどんなメリット(加点)があるのか」と考えるのだ。

就活生には最終面接だけではなく入社後の成長を見据えた企業研究をしてほしい

就活生には最終面接だけではなく入社後の成長を見据えた企業研究をしてほしい

なぜ「成長」にベクトルを合わせるのかというと、それがまさに企業が入社後に求めていることだからだ。企業は高い給与を払いたくて、福利厚生を活用してほしくて正社員採用をするわけではない。仕事を通じて成長し、成果を出して会社に深く貢献して欲しいから採用するのだ。

この思考で最終面接前にもう一度志望する会社を見てほしい。

「その会社の商品が好き」 「やってみたい仕事がある」 「社員が魅力的」、ぱっと思い浮かぶ志望理由は様々だろうが、そこをもう一掘りし、「それらを活かしてどう自分が成長できるのか」を考えてみれば、より将来性を感じる志望動機ができるはずだ。

また、この成長加点思考はなかなか志望度が高くない会社を受ける際にも大きな力を発揮する。その会社の志望度が低い理由を成長加点思考で見てみるとどうなるか?

◆創業して間もない会社なので不安定(減点思考)
→新人も即戦力として見られるので早く業務が身につく(成長加点思考)

◆事務職希望だが営業に配属される可能性が高い(減点思考)
→「営業を深く理解した事務職」になるための土台づくりができる(成長加点思考)

「自分の成長」という点にベクトルを合わせると、志望度を下げていた要素も見え方が変わってワクワクすることに気付くはずだ。

これは決して「企業のすべてを肯定的に捉えよ」という意味ではない。もちろんどんな企業も強みだけでなく課題はあるし、正直入社したいと思えない企業もあるはず。

しかしどんな企業であろうと、面接では「将来的に自社で成長していけるか、成長していきたいと思っているか」という視点で学生を見ている。だからこそ学生自身も同じ視点を持って企業を見ることが重要ではないだろうか。

これから面接を受ける際はぜひこの「成長加点思考」で企業と自分の将来をイメージして臨んでほしい。きっと今までよりもワクワクした状態で面接出来る様になるはずだ。
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