学生の「収入」に異変アリ
もう1つ、大学生に起きていることとして、収入状況の変化が挙げられます。学生の収入に占める家庭からの仕送りなどの割合の減少です。大学昼間部の学生の平均収入は199.7万円で、その60.8%が家庭からの給付ですが、これは2年前の61.7%に比べ▲0.9%。この分、奨学金利用やアルバイト収入の割合がアップしています。アルバイトをする学生の割合も、大学で74.0%と2年前に比べ0.9%増えました。
<学生の収入状況>
大学学部(昼間部)
・家庭から 121.5万円 60.8%(平成22年度比0.8%↓)
・奨学金 40.9万円 20.5%(0.2%↑)
・アルバイト 32.3万円 16.2%(0.8%↑)
・その他 5.1万円 2.6%( - )
収入合計 199.7万円(0.9万円↑)
教育は誰の責任か
ここまで見てくると、奨学金依存度が上がった理由は、実は家庭の年収が下がったせいではないかと推測する人もいるのではないでしょうか。ところが、同じ調査で聞いた家庭の年収の平均は約812万円で、2年前の797万円に比べ15万円アップしています。年中が下がったからではないのです。
ここからは推測ですが、親もようやく住宅資金や老後資金とのバランスを取って教育費を考えるようになってきたのではないでしょうか。家庭が全面的に教育費を負担する時代ではなくなってきたのかもしれません。
高校卒業以降の教育は誰の責任か――
教育資金ガイドとしてことあるごとに投げかけてきた疑問でもありますが、長く親を縛ってきた「教育は親の責任」という呪縛が溶け始めたのではないかと見ています。