理解があいまいな乳幼児期

■0歳前半
心理学用語に「Object Permanence」という言葉があります。日本語では「対象の永続性」と訳されますが、これは、ある人や物が自分の前から「見えなくなった」としても、その人や物は「別のところに存在している」ということの認識を指します。

生まれてしばらくの間は、赤ちゃんはママが目の前からいなくなってしまうと泣いてしまうことがよくあります。あれは、この「対象の永続性」がまだ発展途上中だからでもあるのです。赤ちゃんにとっては、目に見えるものが全て。大切なママが視界から見えなくなると「消えてしまった」と認識しまうのです。

■0歳後半
しかし、9~12ヶ月になると、いなくなったとしても、「ママはちゃんと存在している」と認識できるようになります。つまり、キッチンでお料理をしている、別の部屋で洗濯物をたたんでいる、と少し離れていても、ママはいなくなったわけではないという感覚がついてきます。「対象の永続性」が習得できた証です。

しかし、この段階での永続性は「生命の存続」という深い意味合いはありません。それよりは、赤ちゃんにとって、もっと現実的な場へと反映されていきます。それは「人見知り」。「対象の永続性」のおかげでママへの信頼感、安心感が増す一方、ママとそれ以外の人をしっかりと区別できるようにもなるため、この時期、人見知りという現象が起こります。

■幼児期 (1~3歳)

もう少し大きくなると、我が子と一緒に遊んでいて、ぬいぐるみのクマやおもちゃの機関車をまるで生きているように扱っている様子に気づくことがあると思います。幼児期は、全ての物に命があるという感覚をもっているもの。そしてその判断は、動いているか、動いていないか、という単純なものだったりします。

大枠で言えば、「動いているか、否か」という判断は確かに正しいのですが、小さな子にとっては、眠っていることとの区別はついていません。実際、「死ぬ」という動詞を覚えて使うこともあるかもしれませんが、その段階で使っている意味合いは眠っていることと相違はありません。

それでは、子供達が「死」の本当の意味を理解するのは何歳くらいなのでしょうか?

>>次ページで、イギリスの研究が見出した子供達が「死」を理解する年齢についてお伝えしていきます。