駐車場だった土地が、気が付けば希望を満たす理想の土地に早変わり
今回、両親宅の新築ために購入した実際の土地
そこで、慌てて実家へ駆けつけると、「○○さん宅の隣の土地が売出中という看板を見つけたので、すぐ不動産屋に電話して、昨日、資料を届けてもらったよ。わざわざ営業マンが自宅まで資料を届けに来てくれて、その場で購入申込書にサインした。そして、来週には契約することにした」というのです。
資料を見ると売出中の土地は3棟現場で、すでに1区画は売約済みでした。そのため、「残る2区画のうち、地型が南北に細長く2面道路に接道した土地に決めた」と、母は淡々と私に説明しました。
あまりに突然の展開に、正直、私は面くらいましたが、その土地は両親宅に接道する道路と同じ道沿いにあり、数えてみると実家から5軒先という近さです。この場所なら「ご近所の顔ぶれが変わる」ことはなく、「周りに知らない人ばかりが住んでいるところには住み移りたくない」という要望もクリアします。強いこだわりを十分に満たすことができるのです。
これまで、ずっと駐車場として利用されていた土地が地主の都合で急に売り出されたのでした。後から売り主の不動産会社に聞いた話では、ほとんど広告は打たなかったそうです。父親が偶然にも現地看板を見つけたのが幸運の始まりでした。両親は一目惚れし、即断・即決でした。千載一遇といっても過言ではない好タイミングで、両親は希望条件を満たす土地にめぐり合うことができました。
「建築条件付き」の落とし穴 自由設計のはずが融通の利かない悩ましさ
これだけ両親が買う気満々のため、長男(私ガイド)としては応援しなければならないと思いましたが、そこには1つ問題が待ち構えていました。売出中の土地は完全な更地ではなく、建築条件付きの土地だったのです。建築条件付き土地取引とは、指定された施工業者と工事請負契約することを条件にした土地売買のことです。われわれ施主側にとっては自分たちの希望する施工業者は選べない半面、間取りや仕様などは自由に決められる(フリープラン)のが特徴です。
ところが、身体の不自由な母親が住むため、間取りや仕様に変更を加えたいと要望しても、売り主の不動産業者からは「大きな変更は無理」との返事でした。話を聞くと「設計を外部の設計会社に依頼しているため、その設計事務所の独自プランを大きく変えることは難しい」というのです。完全に“売り手の理論”を押し付けた説明が返ってきました。
これでは自宅を新築する意味がありません。建売り住宅を買うのと何ら変わりありません。そこで、建築条件を外してもらうよう交渉しました。すると、売り主の不動産会社はあっさりと了承し、完全な更地での売買に快く応じてくれました。
ただ、建築条件を外した結果、当初4000万円で売り出していた土地価格を4200万円に値上げすると言って来ました。正直、足元を見られた印象です。しかし、一目惚れした土地だけに手放す気にはなれませんでした。振り出しに戻ることは避けたいと思いました。そこで、売り主の提示金額で契約することに同意し、2013年1月21日、契約締結の運びとなりました。そして、同年3月29日に引き渡しを受けました。
<参考> 今回、購入した土地の主な概要
・敷地面積:94.39平方メートル
・建ぺい率:40%、容積率:80%
・第一種低層住居専用地域、第一種高度地区、準防火地域
・従前の地目:雑種地(畑)→ 宅地へ変更
・敷地の住所:東京都杉並区
こうして、ようやく手に入れた念願の土地。立地は希望通りで申し分ないのですが、次は施工業者を探さなければなりません。そこには新たな苦労が待ち構えていました。
※次回のシリーズ第3回目は、高齢者仕様の住宅を具現してくれる施工業者探しの話をご紹介します。どうぞ、お楽しみに!