城跡を美しく染め上げる桜を満喫! 春の弘前城
みちのく三大桜の1つに数えられる弘前城の桜(2011年5月2日撮影)
※<2023年現在>石垣修理工事のため、天守閣は石垣から本丸内部へ移設中
明治時代に広大な公園に変わった城内にはたくさんの桜の木が植えられていて、日本列島をゆっくりと北上してきた桜前線が到達すると美しい桜の花々で城内が覆い尽くされます。
今回は、桜が咲く風景の美しさやその規模から、「みちのく三大桜」の1つに選ばれた春の弘前城をご紹介します。桜と城の多彩な風景を堪能することができますよ。
<目次>
- 江戸時代の天守閣が現代に残る東北地方唯一の城、弘前城
- 桜いっぱいの外濠に出迎えられて城内へ
- 二の丸から本丸へ、天守閣と桜が織りなす感動の風景!
- 桜のトンネルと、桜に覆われた西濠を満喫! 日本一にも注目です
- 魅惑の桜が現れるライトアップは必見!
- 石垣の解体修理工事のため、天守閣はしばらく移設中
- 弘前城へのアクセス
江戸時代の天守閣が現代に残る東北地方唯一の城、弘前城
下乗橋から眺めた弘前城の天守閣と桜(2011年5月2日撮影)
※<2023年現在>石垣修理工事のため、天守閣は石垣から本丸内部へ移設中
当時の地名は高岡だったため、城の名前も高岡城でした。しかし落雷により築城当初の五層の天守閣が焼失後、辰巳櫓を建てたのを機に高岡城から弘前城に名前を変更、街の名前も弘前に変わりました。その後、天守閣のない時代が200年ほど続いたものの、江戸時代後期に三層の天守閣が改めて建築されています。
弘前城の三層の天守閣。江戸時代に建てられた貴重な建物です(2004年4月25日撮影)
※<2023年現在>石垣修理工事のため、天守閣は石垣から本丸内部へ移設中
その結果、弘前城は東北地方では唯一、日本国内でも12しかない江戸時代の天守閣が残る貴重な城(現存天守)の1つとなりました。
弘前城の天守閣と本丸にあるしだれ桜(2011年5月2日撮影)
※<2023年現在>石垣修理工事のため、天守閣は石垣から本丸内部へ移設中
江戸時代中期から桜の木はあったとのことですが、本格的に桜が植栽されたのは、明治時代に入ってから。桜の本数の増加に伴い、大正時代には桜の名所として幅広く知られるようになりました。
現在は角館(かくのだて、秋田県)、北上展勝地(岩手県)と並んで「みちのく三大桜」の1つに数えられており、桜の開花時期には弘前さくらまつりが開催され、毎年多くの人たちで賑わいます。
桜いっぱいの外濠に出迎えられて城内へ
追手門の前の外濠を覆う桜。
弘前城は城内に入る前から桜を楽しめます(2011年5月2日撮影)
東西南北どこからでも入城できますが、JR弘前駅からのバスが到着する弘前市役所から、城の南側にある追手門を経由するコースが分かりやすいです。
弘前城の追手門と桜(2011年5月2日撮影)
外濠に覆いかぶさるように咲く桜の花はほとんどすき間なく、訪れた人のほとんどはここでまず立ち止まって桜の風景を楽しみます。でも、ここはまだ弘前城の入口。城内にはもっと素敵な桜の風景が待ち構えていますので、先へ進みましょう。
追手門から続く弘前城三の丸の桜並木(2011年5月2日撮影)
弘前城の中濠にかかる朱塗りの杉の大橋と、中濠に映り込む桜(2011年5月2日撮影)
杉の大橋から中濠にかかる桜を望む(2011年5月2日撮影)
杉の大橋を渡った所にある南内門と桜。ようやく二の丸です(2011年5月2日撮影)
まだまだこの先にも素晴らしい風景が待ち構えていますので、先へ進みましょう。
二の丸から本丸へ、天守閣と桜が織りなす感動の風景!
二の丸より、内濠にかかる朱塗りの下乗橋と天守閣を包み込む桜(2011年5月2日撮影)
※<2023年現在>石垣修理工事のため、天守閣は石垣から本丸内部へ移設中
下乗橋から眺める天守閣と桜(2004年4月25日撮影)
※<2023年現在>石垣修理工事のため、天守閣は石垣から本丸内部へ移設中
春の弘前城にやって来た! ということを実感できる場所ですね。
►石垣修理工事完了まで、天守閣を石垣から本丸内部に移設中。
石垣の上に天守閣はありません<2023年時点>
天守閣の前に広がる本丸には、たくさんのしだれ桜が咲き誇ります(2004年4月25日撮影)
►石垣修理工事完了まで、本丸の広場の中心に天守閣を移設中<2023年時点>
天守閣は一番上の3階まで上れます。本丸を見下ろすと外濠から内濠までたくさん見かけたソメイヨシノに代わって、この広場には紅枝垂(べにしだれ)などのしだれ桜がたくさん植えられていることが分かります。
白から薄桃色のソメイヨシノと異なり、濃い桃色の花を咲かせるしだれ桜が彩る風景も楽しめるのが弘前城の素晴らしい所。もちろん天守閣としだれ桜の組み合わせを眺めることもできますよ。
本丸から望む津軽富士・岩木山と弘前城の桜(2004年4月25日撮影)
北の郭から内濠越しに天守閣と桜を眺める(2011年5月2日撮影)
※<2023年現在>石垣修理工事のため、天守閣は石垣から本丸内部へ移設中。また内堀の一部を埋め立てています
弘前城がどこから見ても絵になる城というのがよく分かりますね。
►石垣修理工事完了まで、天守閣を石垣から本丸内部に移設中。
石垣の上に天守閣はありません。また内堀の一部を埋め立てています<2023年時点>
ここまで天守閣や本丸のしだれ桜を満喫してきましたが、実は弘前城の桜はこれだけではありません。
まだまだ素敵な風景がそろっていますので、そちらにも足を運んでみることにしましょう。
桜のトンネルと、桜に覆われた西濠を満喫! 日本一にも注目です
西濠に沿った遊歩道を覆う桜のトンネル(2011年5月2日撮影)
この西濠に沿った歩道の両脇に桜が植えられているので、桜が花開くと見事な桜のトンネルが誕生します。ゆっくりとトンネルの中を散策しながらのお花見を楽しむことができますよ。
西濠を取り巻く桜と貸しボート。ボートの上からもお花見を楽しめます(2004年4月25日撮影)
西濠の桜を楽しんだ後は、北の郭を通り抜けて、中濠からの桜の風景を眺めた後、東門に向かいましょう。
日本一幹が太いソメイヨシノ(2011年5月2日撮影)
東門近くの外濠の桜(2011年5月2日撮影)
外濠の桜。桜が散り始めると、桜の花びらが水面を埋め尽くす花筏(はないかだ)も楽しめます(2004年4月25日撮影)
魅惑の桜が現れるライトアップは必見!
ライトアップされた弘前城の天守閣と桜(2011年5月2日撮影)
※<2023年現在>石垣修理工事のため、天守閣は石垣から本丸内部へ移設中
ライトアップされた弘前城の外濠の桜と追手門(2011年5月2日撮影)
日中とは雰囲気が一変した桜の風景は、ずっと眺めていたくなる美しさです。
ライトアップされた弘前城の中濠の桜と杉の大橋(2011年5月2日撮影)
石垣の解体修理工事のため、天守閣はしばらく移設中
石垣修理工事のため、本丸中心部の仮天守台に移設中の弘前城天守閣と本丸の桜
(提供:弘前公園総合情報サイト)
天守閣が乗る石垣を一時的に解体する必要があるため、内濠の一部を埋め立てた後、2015年に天守閣の建物まるごと3か月かけて本丸内部へ数十メートル移動させました。現在は本丸の中心に天守閣があります。
このため、石垣の上に天守閣があるおなじみの弘前城の風景はしばらくの間見ることができません。
修理工事が終わり、石垣の上に天守閣が戻るのは早くても2025年度予定とのこと。ただ移設中の今の状態での天守閣と桜の組み合わせも将来は見られなくなりますので、今のうちにぜひ見ておきたいですね。
みちのく三大桜の1つとして、素晴らしい桜の風景があふれている春の弘前城をご紹介してきました。
見頃は例年だと4月下旬~5月上旬ですが、その年の気候により変わります。弘前さくらまつりのWebサイトなどで見頃を確認して、多彩な桜の風景が勢揃いするぜひ弘前城まで出かけてみてください。
弘前城へのアクセス
地図:Googleマップ
アクセス:
<飛行機>
青森空港から弘南バスの弘前市内行き空港連絡バスに乗車し、弘前バスターミナル下車。
弘前バスターミナルから、弘南バス 土手町循環バスに乗り換えて市役所前バス停下車。
<鉄道>
弘前城への最寄り駅、JR弘前駅
東北新幹線 新青森駅から、奥羽線に乗り換え弘前駅下車。
弘前駅前バス停からは、弘南バス 土手町循環バスで市役所前バス停下車。
<高速バス>
首都圏から青森方面を結ぶ以下の夜行高速バス(弘南バス)で弘前バスターミナル下車。
・「パンダ」号 東京駅・バスタ新宿・上野駅発着(1日計3往復)
・「ニューノクターン」号 横浜・バスタ新宿発着(1日1往復)
・「ノクターン・ネオ」号 東京駅・バスタ新宿発着(1日1往復)
弘前バスターミナルからは<飛行機>と同じ。
<車>
・東北自動車道 大鰐弘前インターチェンジから、国道7号線で弘前市内へ。
弘前公園の周辺に駐車場が点在していますが、さくらまつり期間中は混み合うので時間に余裕を持って移動しましょう。
【関連サイト】
- 春の遅い角館で桜並木を楽しもう/秋田
- どこまでも続く桜並木に感動!北上展勝地の桜/岩手
- 城跡を美しく染め上げる桜を満喫!春の弘前城/青森
◇「桜の名所」に、「名所・旧跡」ガイドで桜が楽しめる名所・旧跡を紹介した記事の一覧をまとめてあります。
◇「東北の名所」に、「名所・旧跡」ガイドで東北の名所・旧跡を紹介した記事の一覧をまとめてあります。