京都のスペイン料理店「エル ボガバンテ 346」
「El Bogavante 346」の外観
2013年から2014年の今年にかけて、日本とスペインは1613年の慶長遣欧使節団派遣から数えて交流400周年を迎えます(慶長遣欧使節団のスペインへの到着は1614年)。意外に思われるかもしれませんが、日本とスペインの交流の歴史は長いんですよね。そんな長き交流の中で日本にもスペイン文化がもたらしたものは多く、食文化にもスペインの影響は少なからず存在し、現代にも残っています(例えば日本語の「オジヤ」はスペイン語の「オジャ」が語源と言われている、など)。
そして最近はスペインバルブームということもあり、どの街にもスペイン料理店が見かけられるようになりましたね。昔はスペイン料理と言えば「パエリア(パエージャ)」ぐらいしか知られていなような時代もありましたが、今では「アヒージョ」「トルティージャ」「チャコリ(微発泡白ワイン)」等々、スペイン料理用語もかなり知られるようになってきました。
スペイン料理店と言っても、その形態はレストランやバルなど多種多彩、玉石混淆な印象を受けますが、そんな増え続けるスペインバルの中でも、今回は真のスペイン料理とも言うべき正統派スペイン料理が楽しめるガストロバルを御紹介します。
「El Bogavante 346」のカウンター席
2008年に開店され、昨年秋に5周年を迎えられたガストロバル「
エル・ボガバンテ346(El Bogavante 346)」。「ボガバンテ(bogavante)」とはカタルーニャ語で「ロブスター(オマール海老)」という意味。シェフの荒川さんが2006~2007年にかけて修行されていたカタルーニャ地方バルセロナのレストラン「コウラ(Coure)」直伝の看板料理「オマール海老のパエージャ」にちなんで名付けられました。
店の前は一段高い板張りになっていて、手作り感溢れる木製のドアも雰囲気たっぷりです。中に入ると、右手にカウンター、左手と奥にテーブル席が設けられ、壁の黒板にはスペイン各地の今日の天気が地図の上に手書きされていて、これまで訪問したスペイン各地に思いを馳せずにはいられません。
自家製ガリシアパンも外はパリッと中はむっちり柔らかな仕上がり。
バルセロナから帰国されてからも、スタッフを引き連れて毎年のようにスペイン各地への研修旅行に出掛けられていることからもわかるように、向学心と情熱に溢れる荒川シェフ。開店から、この5年間の間には料理の内容や構成、お店の形態も進化を遂げ、現在は平日は18時~24時の通し営業、土日は12時~16時の営業で、昼のおまかせコースの他に、昼も夜もアラカルトで同じメニューが楽しめます。その内、シェフがお休みをとられる水曜日だけはガラッと雰囲気が変わって、若手によるバル・デーと化し、本場のバルさながらのタパスやピンチョスも並び、気軽にちょっと立ち寄るだけでもOKの「バル・ボガバンテ」となっているようです。
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