コンカ・デイ・マリーニ村ってどこ?
エメラルドの洞窟エレベーター付近のレストランからみた「サラセン人の塔」(撮影:河村英和)
コンカ・デイ・マリーニ(Conca dei Marini)は、南イタリア最大の都市ナポリから、車で1時間半あまり、ユネスコ世界遺産に登録されているアマルフィ海岸で人気の高い町ポジターノとアマルフィの間に位置する村です。コンカ・デイ・マリーニは、ポジターノから約12キロ東方、アマルフィから約4キロ西方のところにあるので、これら両方の町をドライブで訪れる場合は必ず通過しますが、この村は、海岸から切り立った山の上まで「縦に広がって」いるので、気を付けていないと見落としてしまいます。人口約700人のとても小さな村で、「アマルフィ海岸の真珠」と呼ばれています。
「もっとも美しいイタリアの村」に選ばれました
コンカ・デイ・マリーニ(FlickrよりElliot Brown撮影)
そんなコンカ・デイ・マリーニは、「イタリア人が選ぶイタリアでもっとも美しい村」に選ばれています。イタリアでは2001年、「もっとも美しいイタリアの村」という協会が設立され、現在約200件の村が選出中。この協会のコンセプトは、あえて知名度の高いところは除き、知られざる美しい村を再発見させることですが、これらの村は必ずしも辺鄙(へんぴ)な土地にあるとは限らず、有名観光地の近くにあって、そのついでに行かれるところもあります。たとえばアマルフィの近くでは、コンカ・デイ・マリーニの他にも、二つの村アルボリとフローレが、「イタリアでもっとも美しい村」に登録されていますが、とくに今回ご紹介するコンカ・デイ・マリーニには、この地域を代表するホテルと観光名所が充実しており、お勧め度が上がるでしょう。
名勝「エメラルドの洞窟」
エメラルドの洞窟と船頭さん(撮影:河村英和)
コンカ・デイ・マリーニとはイタリア語で、「海の民」の「窪んだ土地・谷間」という意味で、まさに文字通り、風土がそのまま地名に転じました。そんな窪みのある海岸には、エメラルドグリーン色に水面が輝くエメラルドの洞窟(Grotta dello Smeraldo)の入り口があります。これは1932年、地元の漁師によって偶然発見されました。この洞窟では、その爽やかなエメラルドグリーンに光った水だけでなく、私たちの想像力を掻き立てる形をした鍾乳石も必見です。ピサの斜塔のような、とある有名人の頭部みたい、とんがり屋根のアルベロベッロの街並みに似ているなどなど、ユニークで様々な形の鍾乳石が見られます。内部はボートで巡るようになっていて、日本語のできる船頭さんが面白おかしく説明してくれます。
エメラルドの洞窟へ至るエレベーター塔(撮影:河村英和)
このエメラルドの洞窟へ行くには、アマルフィなど近隣の町から出ている観光用ボートで海路でアクセスすることもできますが、真上を走る絶景の幹線道路、国道(SS163)沿いに建つエレベーター塔から入るのが一般的です。この横には駐車場付きのお土産屋さんや、眺めの良いレストラン・カラヤナーラ(Calajanara) と4つ星ホテル・ラ・コンカ・アッズーラ(La Conca Azzurra)もあり、ここのテラスから海を見渡すと、左手には「サラセン人の塔」と呼ばれる16世紀の見張り塔がよく見え、とてもロマンチックです。
<DATA>
■Grotta dello Smeraldo(エメラルドの洞窟)
見学時間:9:30~16:00(祝日を除き毎日営業)
料金:5ユーロ
TEL:+39 089 871107