ナガタユイさんとサンドイッチ
2014年3月28日、パン業界で働く女性の勉強会「クラブ・ド・サントノーレ」主催、サンドイッチのセミナーが日清製粉株式会社小網町加工技術センターで開催されました。クラブ・ド・サントノーレ
講師は2006年に設立されたこのクラブの発起人の一人で、現在はフードコーディネーターとして活躍するナガタユイさん。有名ベーカリーのシェフ達も認める、サンドイッチをつくらせたら天下一品、という人です。
食品メーカーの営業部でベーカリーに向けたサンドイッチの提案の仕事をしながら、自主的にワイン、チーズ、薬膳などの資格を取得したナガタさん。「資格マニアというわけではないんです」とナガタさんは言います。そもそもは営業先で話を聞いてもらうための手段だったのです。
「ある世界で認められても、違う世界に入れば自分がそこで何も知らないことに気づかされる。そこで新たに学びたいことが出てくるのです」
出産と退職、はちみつ専門店への再就職を経て独立。その時その時の「今できること」を懸命に続けたナガタさんの今までの経験の集大成とも言える本が、2012年末に出版された『サンドイッチの発想と組み立て』(誠文堂新光社)でした。
ナガタユイさん
ベーカリーやカフェは売り上げのために「目新しいもの」や「コストも手間もかからないもの」を追いがちなのです。でも、消費者も本当にそれを求めているでしょうか?ナガタさん自身は「定番の組み合わせ」や「上質な素材を使い、ていねいに作られたもの」が食べたかった、と言います。
流行として消費されるものをつくるのではなくて、世界中で作り続けられてきた定番サンドイッチの基本やその文化的背景を知ること。そこに日本の今ならではのアレンジを加えてみること。それらがこの本で紹介されています。
ここでは、わたしたちがサンドイッチをつくる時、食べる時に、より親しみをもってサンドイッチに関われるようになる話をピックアップしてレポートします。