間接照明を利用して、安眠を誘う寝室に
図3(上)寝室の3D照度分布図 写真3(下)寝室の照明
主寝室では200mmの天井の段差を利用した間接照明を行っています。
この間接照明によって全般の明るさを確保し、ベッドが置かれる想定の両サイドの収納前に小型ダウンライト器具を設置して、雰囲気的な明るさと機能的な明るさの両方が得られるようにしています。
家族が集まるLDKの照明は
図4.LDKの鳥瞰3D照度分布図
3階はLDKが一体化した空間となっています。図4の照度分布図から、作業を行うキッチンが最も明るく、次にダイニングテーブル、そしてリビングルームと少し明るさが落ちていることが分かります。
キッチンは立って作業を行い、また包丁や火を使うため、十分な明るさで目の疲労を抑えることが求められます。
また壁紙(緑色)の見え方も事前にDIALuxで照明計算を行うことで、明るさのバランスを調整するようにしました。
ダイニングはテーブルを囲んで座ることが多く、料理をおいしそうに見せるためには、演色性の高い光源で、より食卓を明るくすることも効果的です。
夜は室内が明るいことによって、ガラス窓に部屋の様子が映り込んでしまうことがあります。そのようなノイズを防ぐためにカーテンやブラインドが役に立つわけですが、外の景色を見ながら食事を楽しむこともあるので、その場合は室内の映り込みによって、空間を広く見せる照明を考えたり、テーブル以外は暗くして、映り込みを少なくし、逆に外の景色を室内に取り入れることを考えたりします。
リビングルームはソファに座わってリラックスする時間が長いため、視線の高さも低くなります。
V字の天井は天井高さの低いほうから高く上がっている方向に明るくなるよう間接照明をして、天井の形態が強調できるようにしています。この間接照明は天井を高く見せるためにも有効です。
また空間の装飾として、壁に飾られる絵画が明るく引き立つようにスポット照明を考えています。
さらに造作家具に内蔵させた間接照明も空間にアクセントを与え、生活行為に合わせて点滅調光を駆使して、照明の演出効果を使い分けられるようにしています。
写真2、3、5提供:株式会社オーワークス
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