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資格別求人数ランキング2014年3月版

今、企業ではどんな資格が求められているのか? ハローワークインターネットサービスの求人情報から、おなじみの資格の求人数をリアルに集計してみました。2014年3月集計の最新版です。

いぬかい はづき

執筆者:いぬかい はづき

仕事に活かせる資格ガイド

本当に「資格を仕事に活かしたい」なら、その資格の需要がどれくらいあるか、という雇用市場のニーズはしっかりと押さえておきたいもの。そのためのもっともシンプルな方法が、実際の求人情報をチェックすることです。

「今」「実際に」存在する求人情報の中で、どのような資格ホルダーが求められているのか? 資格取得をきっかけに就職・転職を考えている人にとっては大いに気になるところです。

そこで当サイトでは、全国のハローワーク(公共職業安定所)で受け付けた求人情報をウェブ上で閲覧できるサイト、「ハローワークインターネットサービス」を使って、定期的に「仕事に活かせる資格」としておなじみの資格の求人数をリアルに集計しています。

「ハローワークインターネットサービス」では、詳細条件入力機能を使えば「免許・資格を採用の必須条件とする求人」を検索することができます。

トップページからでは、このような検索機能があることが「わかりにくい」のが難点。また、資格の名称での検索ではなく、厚生労働省が定めた「免許・資格コード」で検索しなければなりません。

ちょっとわかりにくいので、以下に手順を紹介しておきましょう。

◆ハローワークインターネットサービス:資格で求人情報を探す手順◆
求人情報検索(トップ画面)
利用者区分、就業形態の希望、給与の希望額などを記入

詳細条件入力

求人情報検索(詳細条件入力画面)

免許・資格コード一覧

(別ウィンドウで開く「免許・資格コード一覧」で、自分が調べたい免許・資格のコードをチェック)

求人情報検索(詳細条件入力画面)
免許・資格コード欄に該当コードを記入

検索開始

今回は特定の地域や給与水準などを指定せず、以下の資格について調査しました。( )内は免許・資格コードです。

建築士(1級:1301、2級:1302)、インテリアコーディネーター(1308)、基本情報技術者(1505)、シスアド(上級:1513、初級:1514)、情報セキュリティアドミニストレータ(1515)、衛生管理者(第1種:2202、第2種2203)、司法試験(2401)、司法書士(2402)、弁理士(2403)、通関士(2405)、公認会計士(2501)、税理士(2503)、CFP/AFP(2505)、社会保険労務士(2510)、中小企業診断士(2511)、不動産鑑定士(3201)、宅地建物取引主任者(3207)、実用英語検定(1級:3307、準1級:3308)、TOEIC(730点~:3322、600点~:3323、470点~:3324)、秘書検定(1級:3401、2級:3402、3級:3403)、簿記検定(日商1級:3623、2級:3624、3級:3625)、MOS(エクセル上級:3815、一般:3816、ワード上級:3817、一般:3818)、MOT(3819)、販売士(1級:4101、2級:4102、3級:4103)、貿易実務(4108)、証券外務員(4201)、MBA(8001)、CPA米国公認会計士(8005)

※調査期間は2014年3月6日~3月20日。「免許・資格を採用の必須条件とする求人」の中から、この期間内の資格別フルタイム求人数を週1回集計。

※「免許・資格コード一覧」には、技術、医療・保健衛生・社会福祉、事務処理、営業・販売・サービス・保安、運輸・通信、製造関連技能、電気・建設・土木工事・建設機械、海外資格関連など全8領域に渡る免許・資格が網羅されており、より詳細な求人ニーズの把握が可能。技術、技能系資格が多いのも特徴です。この一覧を見ることにより、今まで知らなかった免許・資格に対する求人ニーズに気づくなど、二次的な使い方も可能です。ただし、昨今誕生している新資格への対応は必ずしも十分ではないため、その場合は類似の免許・資格の動向を参考にしてみると良いでしょう。

第10位:社会保険労務士(10位)、司法書士(11位)

ベスト10常連の2資格が、今回は同数で10位になりました。
司法書士は事務所求人がほとんど、一方社労士は、事務所、一般企業、コンサルタント業、行政と幅広い求人と、その内容は対照的です

両社とも安定的なニーズがあり、他の資格の変動によって順位が上下しているというのが実情でしょう。
※( )内は、前回(2013年12月集計分)順位。以下同様。

9位:税理士(9位)

ベースとなる税理士事務所求人以外の企業求人の伸びによって、順位が左右される資格。今回は前回に引き続いて9位に。
とはいえ、こちらも社労士と共に、その需要は安定的です。

8位:基本情報技術者(8位)

スマートフォン人気で増加していたアプリケーション開発関連の求人ニーズも峠を越えた様子でしが、ここに来て再浮上。前回に引き続き8位をキープしました。
今回は今までに比べて、正社員求人が多い感触があります。

定番のPG、SE以外に、プロジェクトリーダーやシステム関連の営業職など、求人の幅が広いことが強み。フレックス勤務など多様な勤務形態の求人があるのも、この資格の特徴です。

7位:証券外務員(7位)

これまでも、突発的にランクインしてくることは多かったのですが、これで6回連続のランクイン。ニーズも定着傾向でしょうか。

リテール営業職、コールセンタースタッフ、営業アシスタント、証券オペレーターなど、複数の企業、職種での求人増が強みですが、その内訳は派遣社員など非正社員での求人が多めです。

第6位:インテリアコーディネーター(6位)

リフォーム業の活況は変わらず。インテリアコーディネーター職のほか、現場監督、営業職、住宅展示場での接客業務など、幅広い求人があります。

正社員では、建築士とのダブルライセンスで「設計業務」求人が多いようです。

第5位:実用英語検定(5位)

求人数は2級>準1級>1級の順でかわりません。

1級は、英語塾講師、教務職、教育スタッフなどの教育分野が多く、準1級と2級は、営業、研究開発、貿易事務、営業アシスタントなど、ビジネス求人の割合も高くなっています。

第4位:TOEIC(4位)

すべてのランクの総計でのランクイン。

最も高いレベルである730点以上と600点以上の求人数が、ほぼ拮抗してきていますが、今回はやや600点以上が多めでした。

730点以上では海外勤務、600点以上では管理職、営業職、秘書業務、ソフトウェア開発など多岐にわたる求人があり、翻訳や通訳といった英語のプロ以外の分野でも、英語力がカギとなっていることが伺えます。

600点未満になると、派遣を含む正社員以外の求人の割合が増えてきます。

第3位:宅地建物取引主任者(3位)

不動の3位。こちらもニーズは安定的。住宅販売、営業、事務など不動産業界を中心に、安定的に幅広い求人があるのが特徴です。

ただし、業界経験者が優遇されるのも宅建の特徴。いくら資格のニーズが高くても、それだけでは難しいといえます。

第2位:日商簿記検定(2位)

ランクは1級~3級すべての等級の総計です。等級ごとでは、2級の求人数がもっとも多いのは変わりませんが、3級での募集もかなりあります。
ただし、3級になると派遣社員など非正社員の割合が増加。正社員志望なら、2級の方が可能性が広がるかもしれません。

最近は1級でも一般事務職や一般経理職の求人も。求められるスキルが、益々底上げされている印象を受けます。

第1位:建築士(1位)

不動の1位の秘密は、幅広い求人ニーズに応える高い汎用性。調査のたびに安定的なニーズを誇っています。今回は特に全国津々浦々で求人がありました。

これまで正社員以外の求人の割合が高かった2級でも、正社員が増加。
建設業界の人手不足の状況が反映されているのでしょうか。

※今回の次点は衛生管理士(前回圏外)、次次点は通関士(12位)でした。
特に「通関士」は、活躍の場である「貿易」の分野が経済状況の影響を受けやすいため、正社員以外に常用型派遣、登録型派遣での求人割合が多いのも特徴なのですが、前回に引き続き正社員の割合が高まっているのを感じます。

ちなみに、MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)のエクセル(上級・一般)、ワード(上級・一般)を合計すると通関士と同数。派遣求人のスキル評価の基準として指定されることが多いようです。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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