そこで、新しいプリエを導入してみたら、大人の生徒さんのプリエの質が一気に高まることが分かりました。それをここでご紹介します。
古典的なバレエの指導法には出てこない全く新しい概念なので、詳しく説明していきましょう。
第三のプリエ
プリエの質を向上させる「第三のプリエ」
ドゥミ・プリエは股関節と脚で作る角度が45度、グラン・プリエのそれは90度。本当ですね。ドゥミ・プリエはグラン・プリエの半分ですね。
この角度を使った説明は、数学的な話しです。そこで、グラン・プリエとドゥミ・プリエの間を取るとどうなるでしょうか?そのときの股関節と脚で作る角度は22.5度です。ドゥミ・プリエの半分。グラン・プリエの半分の半分。つまり、1/4のプリエになりますね。そこでこれを、「クォーター・プリエ」と名づけます。これでプリエの種類が3つになりました。
ここに出てきたプリエを、角度の深い順に並べると次のようになります。
1. グラン・プリエ(4/4)
2. ドゥミ・プリエ(2/4)
3. クォーター・プリエ(1/4)
ここでプリエの目的について少し立ち返って説明します。
プリエを練習する目的の一つは、ジャンプでの始めと終わりの動きとして必要だからです。ジャンプを始める時と終わる時に、膝の曲げ伸ばしを利用するために必要なのです。
例えば1番からのタン・ルヴェ・ソテの場合。
1. 脚を伸ばした状態から
2. 膝を曲げます (第1段階のプリエ)
3. 更に膝を曲げます (第2段階のプリエ)
4. ジャンプします
5. 着地します (第1段階のプリエ)
6. 膝を更に曲げてプリエを完成させます (第2段階のプリエ)
上記で出てくる 「第1段階のプリエ」 の股関節と脚で作る角度は22.5度。これが「クォーター・プリエ」です。「クォーター・プリエ」からドゥミ・プリエを通ってジャンプし、「クォーター・プリエ」からドゥミ・プリエを通って着地します。
このように 「クォーター・プリエ」 という概念を持つと、プリエの理解が深まります。そしてその理解が動きの質を向上させます。
ぜひ実際のレッスンで、プリエの動きに応用してみてください。
◎ 「クォーター・プリエ」 の注意点!
クォーター・プリエからドゥミ・プリエに入るときは、急激に動かすのではなく、ゴムのように膝でその衝撃を吸収させながら使いましょう!