不動産売買の法律・制度/不動産売買ワンポイントアドバイス

雨上がりの道路

雨上がりのときに物件を見学すると、思わぬ問題点が見つかることもあります。購入を検討する住宅の敷地内だけでなく、雨上がりの道路の様子もしっかりと観察しておきたいものです。なかなかタイミングよく降ってくれるわけではありませんが、天気が回復したら出掛けてみましょう。

執筆者:平野 雅之

【不動産売買ワンポイントアドバイス No.035】

水溜まり

雨上がりの道路の様子をよく観察しておきたい


一戸建て住宅の購入を検討するとき、できれば雨上がりのときに物件周囲の様子を観察しておきたいものです。そう都合よく雨が降ってくれるわけではありませんが、もし、購入しようかどうしようかというタイミングでまとまった雨が降ったときには、これをチャンスと考えて積極的に現地確認へ出掛けましょう。

雨が降っている間は動きづらく、傘をさしていると何か問題点があっても分かりづらかったり、目が行き届かなかったりする場合もありますから、現地へ行くのは雨上がりのときで構いません。

雨が止んだ後で前の道路に水溜まりができていたり、物件の前の部分が周辺よりも乾きが遅く湿ったままであったりすれば、地盤が弱い可能性を疑ってみるべきです。

道路のへこみは舗装工事の不良や上下水道配管の問題など他の原因による場合もあり、水溜まりだけで地盤が弱いと断定することはできませんが、何らかのヒントを与えてくれるでしょう。

雨が降り止んだ後の乾きが遅いようであれば、単に水はけが悪いということだけでなく、地中の水分量が多い、つまり同様に地盤が弱いことも考えられます。

道路はまったく平坦というわけではなく、たいていの場合は中心部が少し高く、端に向かってやや下がるように舗装をすることで雨水が側溝へ流れやすくしています。ところが、なかには中心部が沈み込んでしまい、雨が降るたびに一面が冠水してしまうような道路もあります。

また、家の周囲に未舗装部分があり、雨が降るたびにぬかるんでしまうようなケースもあるでしょう。そのような場所で生活をしたときに困るのは居住者自身ですから、問題となる箇所がないかどうかを、雨上がりのときによく観察しておくことが大切です。

それと同時に、道路の側溝などに詰まりがないか、検討する家の敷地の中に水溜まりができていないかなどにも注意してみましょう。

雨上がりの状態で敷地内に水溜まりがあるときは、不同沈下が疑われます。建物の基礎回りをよく確認するのと同時に、しっかりとした建物検査を受けることや、排水設備や浸透処理のやり直し工事についても検討しなければなりません。


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