初心者にも通にもおすすめのシネマ歌舞伎

「シネマ歌舞伎」とは、歌舞伎と映画を合体させた新しい鑑賞スタイルのこと。歌舞伎の魅力をよりわかりやすく身近に感じて欲しいとの思いから、松竹が2005年の「野田版 鼠小僧」より公開を始めたもので、2013年からは「月に一度の月イチ歌舞伎」で好評を博しています。2016年10月22日には、話題の「ワンピース歌舞伎」がついに全国公開! 今回はそんなシネマ歌舞伎の魅力と、2017年のシネマ歌舞伎スケジュールについてご紹介します。
kumo

「蜘蛛の拍子舞」。美しい変化舞踊。衣裳の刺繍までくっきり見える。


■セリフもはっきり、表情もくっきり。

シネマ歌舞伎の魅力は、なんといっても「よく聞こえ、よく見え」ること。いつもお財布の都合で遠いところからしか見られなかった方は、演者の表情の違い、息遣い、衣裳の刺繍からセリフの抑揚まで、はっきりとわかることに感激するでしょう。今まで見ていた歌舞伎とはまた違う新たな魅力を発見する人もいるでしょうし、歌舞伎を初めて観る人には、歌舞伎への入り口としてとてもおすすめです。

migawari

「身替座禅」。ユーモラスで歌舞伎初心者でも楽しめる。

■時間も短く、値段も安い。
生の歌舞伎は一度に3~4演目と長丁場なこともあり、お年寄りでは疲れてしまうかもしれませんが、シネマ歌舞伎は1~2演目で2時間ほどの上映時間。チケットも2000円ほどで、気軽に「ちょうど良く」楽しむことができるのです。

■今は亡き名優の至芸を観ることができる。
たとえば「身替座禅」「連獅子/らくだ」「法界坊」「文七元結」などの作品の中で、舞台を狭しと躍動する在りし日の十八世勘三郎の姿を堪能することができます。

筆者はいつもシネマ歌舞伎を観るたびに「面白うて、やがて哀しき勘三郎」という気持ちになってしまいます。もっともっと思う存分舞台を務めさせてあげたかった、そんな気持ちがあふれてくるほどに、スクリーンの中の勘三郎は生き生きと、楽しそうに舞台を演じているのです。

もちろんライブで観る歌舞伎はすばらしいですが、亡くなった俳優の舞台を生で観ることはできません。故人の至芸を観られるのもシネマ歌舞伎あってこそ。

■全国の映画館で観ることができる。
今までなかなか歌舞伎を観ることができなかった地方の方も、見ることができます。シネマ歌舞伎上映映画館は年々増え、2017年5月時点で60近い映画館で上映されます。