うん、ダサいよこれ
ここからは僕個人の感想だ。初めてこの曲を聴いてから数日目。楽しい時も、イライラしている時もあった。素面の時もあったし、執筆している今現在のように酒を飲みながらの時もあったがいつ聴いてもこの曲はダサい。
けっして"ダサかっこいい"と言うような肯定的な表現ではない。音楽、映像、歌詞……この曲の構成するすべての要素がダサいのだ。音楽面
まず音楽面について指摘しよう。『RYDEEN ~Dance All Night~』はざっくり言うと、『ライディーン』から拝借したサビと新たに創作されたAメロ、Bメロ、中盤に挿入されるラップによって構成されている。創作部分の作曲と編曲を担当したのはエレクトロユニット『CLARABELL』の猪俣裕和氏。
猪俣氏が所属するCLARABELL
サンプリングなのか、イントロ、サビなどわかりやすい部分のサウンドは有名すぎる原曲をフィーチャーしているが、創作部分の中途半端に年代感を意識したエレクトロサウンドは1990年代に多発された企画ものの安っぽいリミックス盤のようだ。
メロディーに関しても平凡の域を出ない。ラップはK-POPとアメリカの最新ヒットを足して3で割ったような印象。
聴けば聴くほど「そこらへんによくあるダンス系アイドル曲に『ライディーン』を取ってつけただけじゃないか」という違和感を覚えるのだ。
映像面
映像に関してもいろいろ物申したいところはある。しかし僕は別にE-girlsのみなさんが嫌いなわけではないし、本人たちには『RYDEEN ~Dance All Night~』の方向性についてなんの責任もないことはだいたい予想がつく。
ただ「特に楽しい内容の歌詞でもないのにニヤニヤ歌われるのは苦手だ」とだけ言っておこう。
歌詞面
作詞はモデル、DJ、作詞家などさまざまな分野で活動する岡田マリア氏とアメリカのエレクトロユニット『MNDR』による共作。メロの日本語部分と、中盤に挿入されているラップの担当を分け合ったのだろうか。『RYDEEN ~Dance All Night~』に違和感を覚える人がまず気にくわないのはこの歌詞だろう。
オリジナルが持っていたクールでアーティスティックな世界観を完全に無視した
という冒頭のフレーズはあまりに破壊的だ。Dance All Night~♪もう止められない
岡田マリア氏はこれまでにもE-girlsやEXILE関連でいくつかの歌詞を書いているがいわゆる「しゃべり言葉で現代っ子のノリを綴る」タイプの作詞家。
今回ははからずもインパクトの強すぎる歌詞で話題になったが、そもそもコピーライター的な技巧や作家的なアート性を秘めているタイプではない。
ビートにまぎれて聴き流せる楽曲ならそれでもよかったのだろうが、すでに"歌詞によらない世界観"が構築された『ライディーン』をリライトするには荷が重すぎたのではないだろうか。