会話のスラングとネットのスラングは区別しなければなりません。とくにネットのスラングは変化のスピードが速いようです。
これは日本語も同じです。たとえば日本の女子高生の間ではやっている言葉に中年以上の人はなかなかついて行けません。しかしついて行く必要もないでしょう。同様に、流行している英語のスラングを学ぶときも、どの地域のどの年代が使っているかということを十分に理解した上で知識として吸収する必要があります。
会話のスラングとネット上のスラング
インターネットが現実社会以外に「ネット社会」を作り出してから、このネット社会にも独特のスラングが拡散しています。ただしこれは必ずしも会話に登場するスラングとは一致していません。その理由は、ネット上ではキーボードから文字を入力するため、その手間を考えてできるだけ言葉を短くする傾向があります。そこで頻出するのが省略語です。日本人は省略語が得意ですが(スマホ、デパ地下、ファミレスなど)、略し方は違っても、英語のネット上でもいろいろな略語がスラングとして使われているのです。
インターネットスラング
ネット上のスラングのことをインターネットスラングと言います。InternetSlang.comというサイトでは、意味を最も多く尋ねられたインターネットスラングの一覧が公表されています。毎日更新されるこの一覧では、たとえばLOL
などが上位に入っています。これは"Laughing out loud"の略で、大声で笑っている様子を表しています。日本のメールなら絵文字を使うところでしょうが、LOLは絵文字代わりに使える表現です。ほかにも
LHK
は"Love, Hugs, and Kisses"を意味し、親愛の情を表現します。日本のメールにハートマークを付けるような感覚でしょう。ちなみにこれに関連し、
<3
という言葉があります。言葉というより記号ですが、大小関係を表す"<"と数字の"3"を並べて書いただけです。画面のフォントによって微妙に見え方が異なりますが、"<"があまり開いていないフォントで"<3"を横から見れば、ハート型に見えます。つまりこれは、"Love"を意味しており、ハートマークの代わりに使えます。
会話のスラング
90年代から使われ始め、今も使われている会話のスラングがいくつもあります。その一つがhella
です。これはもともと"a hell of a"から来ており、「とても、すごい」などの意味を持っています。たとえば
That car is hella cheap. (あの車はとんでもなく安い)
His shirt is hella better than mine. (あいつのシャツはおれのよりずっといい)
というような使い方をします。また、
No Duh.
は、「(そんなこと言われなくても)わかってるよ」という意味でよく使われます。
スラングの知識を仕入れる
スラングはどうしても必要な時を除いて(あまりそのような場面は少ないと思いますが)、慣れないうちは使わないのが無難です。
一方ネットで使うスラングは、比較的読むことも書くことも簡単です。外国人の友人がいなくても、たとえばYouTubeのコメント欄などに省略語を使いながら書き込むことは簡単ですし、しかも使っている人も多いため、読んでいるだけでいろいろな目新しい言葉を見つけることができます。
いずれにしても、冒頭にも書いたように、スラングは今しか使えないものもたくさんありますし、年代によっては使うことが恥ずかしいようなものもあります。スラングの知識を仕入れるのは楽しいものですが、自分が使うときには十分注意しましょう。