生きているものは、いつしかその命を終えます。いつまでも子犬のようだと思っていた愛犬も、やがてはシニア期を迎え、花が枯れるように最期の時を迎えます。また、病気や事故で、早くに生涯を閉じるコもいることでしょう。

愛犬の最期の時を、どう見送ってあげたらいいのでしょうか。


愛犬を清めてあげましょう

在りし日の愛犬を想う

いつかはやってくる悲しい別れ……

長かろうと短かろうと、愛犬と過ごした日々はとても愛しいものです。それが終わりの時を迎え、呼吸をすることもなく、ただ横たわっているだけの愛犬の姿を見ることはたいへんつらいことですが、いつまでもそのままにしておくわけにもいきません。出逢えたこと、そして共に過ごせたことに感謝をしつつ、愛犬を静かに見送ってあげる最期の時がやってきました……。

愛犬を綺麗にしてあげましょう。全身にブラシをかけ、毛並みを整え、汚れている箇所があれば拭き取ってあげます。状況によってはお尻から便や体液が漏れ出たり、口からも汚物や体液が出たりすることもあるので、口やお尻の下にはトイレシートやバスタオルを敷いておき、汚れた部分はお湯や洗浄液などで濡らしたタオルやガーゼ、またはウェットティッシュなどで拭き取ってあげるといいでしょう。

汚れたまま逝かせるのは、忍びないもの。体を清めてあげながら、愛犬との数々の想い出が蘇ってくるはずです。

気になるようでしたら、耳掃除や爪切り、歯磨きなどしてあげてもいいでしょう。ガイドは、愛犬を見送る時に一通りのグルーミングをし、カットした被毛やヒゲ、爪などは、今でもずっと大切にとってあります。

中には、開いたままの目が気になるというケースがあるかもしれませんが、映画やドラマのようにはいきません。実際は、目を閉じることができず、開いたままのこともあります。

また、時間が経てば徐々に体が硬直してくるので、頭や脚の位置など整えてあげます。脚は思った以上に早く硬直してくるため、棺に入れることを考えている場合、棺の大きさによっては脚が真っ直ぐであると入りきらないということも考えられます。状況に応じて、脚は少し曲げてあげる必要もあるかもしれません。


納棺し、祭壇をつくる

愛犬をマットやバスタオルの上に寝かせたままでもかまいませんが、昨今ではペット用の棺や、見送り用のバスケットなども販売されていますし、段ボールでも代用できるので、そういったものの中に寝かせてあげるのもいいでしょう。

 どちらにしても、特に暑い時期は遺体の傷みも早まるため、シートの上に保冷剤を敷き並べ、その上にバスタオルを敷き、愛犬を寝かせるようにします。それでも気になる場合には、さらに、体の周りにも保冷剤をいくつか置いてください。


そして、簡易的でかまいませんので、愛犬のための祭壇を用意します。愛犬の写真の他、好きだった食べ物やお水、オモチャ、お花などをお供えし、お線香やお香を焚きます。

こうして1晩~2晩、人間のお通夜のように過ごすのが、もっとも納得できるお別れの仕方ではないでしょうか。


ペット葬儀社や霊園で火葬、納骨

愛犬への供花

愛犬が遺してくれたものに気づく日がきっといつかやってくる……

この間にペット専門、またはペットを受け入れている葬儀社や霊園に連絡をし、予約を入れておきます。多くの場合、動物病院で葬儀社や霊園と提携があるはずなので、かかりつけの動物病院で紹介してもらうのが一番早いでしょう。または、犬友達から情報を得ること。愛犬を見送った経験のある人であれば、現実的な感想も聞けるはずです。

そうは言っても紹介された霊園が気に入るとは限りません。自分でもいくつか調べてみることをおすすめします。

一般的なペット霊園・葬儀社のほか、火葬炉を備えた車で自宅まで出向いてくれるタイプや、散骨をするペット葬タイプもあります。

火葬は他のペットと一緒の合同火葬にするか、愛犬だけの個別火葬にし、かつそれに立ち会うのか、それとも移動式の葬儀社に自宅まで来てもらって火葬するのか、また、お骨はお墓を購入してそこに埋葬するのか、霊園の納骨堂に預けるのか、自宅に保管して供養するのかなど、愛犬が亡くなったばかりではそこまで考えることはなかなか無理だとは思いますが、自分の好みや生活状況に合った、最適と思われるスタイルをお選びください。

その他、各自治体でもペットの遺体を引き取ってはくれます(または持ち込み)が、有料で多くが合同火葬となります。動物用の火葬炉を備えているところや、ペット霊園に搬送して合同火葬にするところもありますが、多くの自治体が一般のゴミ扱いで焼却となり、それぞれ料金には幅があります。

お骨については個別に火葬でき、遺骨の引き渡しも可能という自治体もあれば(例:宮城県仙台市、大阪府高槻市)、渡せないとするところがほとんで(例:北海道札幌市、埼玉県さいたま市など多くの自治体)、遺骨は慰霊碑に合同埋葬される(例:千葉県市川市)、ペット霊園での火葬のため、その霊園に合同埋葬される(例:東京都大田区、東京都日野市)、灰にして埋め立て地に運ぶ(例:大阪府大阪市)など対応はそれぞれです。

実際に愛犬の遺体の引き取りを頼んだことがある人に尋ねてみたところ、清掃車で引き取りに来たという話で、なんとも悲しくなりました。費用という点においては1つの選択肢になるかもしれませんが、やはり、ともに暮らし、愛情を注いだ愛犬であるならば、熟考なさることをお勧めします。

さらには、自宅の土地に余裕があるようなら、庭に埋葬するという方法もあります(自宅私有地以外不可)。この場合、匂いが漏れないよう深く埋める、他の動物に掘り起こされないようにするなどの配慮は必要となり、土にかえるまでには長い年月がかかります。昨今では、一度火葬して、遺骨の状態で埋葬するケースのほうが多いかもしれません。ただ、後に引っ越し、増築改築でお墓の場所が引っかかるなどという状況になった場合には、お墓をどうするか考えることもお忘れなく。

上記のいずれにしろ、条件が許すのであれば、自分の気持ちがもっとも落ち着く葬儀スタイルを選択するのがいいでしょう。


愛犬の死亡届を提出する

狂犬病予防法第四条により、登録をしてある愛犬が亡くなった場合、30日以内に死亡届を出さなければいけないことになっています。その際には、鑑札と狂犬病予防注射済票を提出する必要があります。

届出の受付先は保健所、動物管理センターなど、各自治体のホームページや広報などに掲載されているので、確認の上、手続きを済ませます。


メモリアルグッズを作って愛犬を偲ぶのも供養

愛犬のメモリアルグッズ

気持ちを内に溜め込み過ぎると苦しくなってしまう。「書く」「作る」「話す」など、気持ちを外に出すことで少しは楽になることも。また、それも1つの愛犬への供養の仕方

お葬式も終わり、愛犬亡き後はとても寂しくてつらく、ペットロスに陥る人も多いものですが、愛犬のために何かを作ってあげるというその作業そのものが、悲しみをほんの少し癒してくれることもあるかもしれません。

ペット用のメモリアルグッズも近年ではいろいろな種類が登場しています。もう新しく増えることのない愛犬の写真…。触れることのできないあったかい体……。どうにも寂しくなるばかりですが、愛犬と過ごした日々とその想い出は確かに自分の中に存在するはずです。そんな愛犬の足跡をメモリアルグッズという新たな形にして偲んでみるのも、1つの供養の方法ではないでしょうか。

ガイドの場合は、愛犬のシルエットで小さな墓石を作り、毛はロケットペンダントに入れて身に付けるようにし、写真集を作ったり、ひたすら愛犬のことを書き綴ったりと、いろいろしました。

それは今でも続いており、「愛犬のためにしてあげられることがまだある」、そう思うことでぽっかり空いた心の穴を少し埋めています。


犬はとても可愛いもの。人間からは得られないいろいろなものも与えてくれます。しかし、悲しいかなその寿命は短く、それが彼らの唯一の欠点だという言葉もあります。一生にわたって世話をしてあげる分、いつまでも子犬のままでいるような気になってしまいがちですが、犬もやがては年をとり、寿命をまっとうしていきます。そのことは心のどこかに覚悟しておく必要があるでしょう。

だからこそ、今という時の一瞬一瞬を大切にお過ごしください。

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※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。