ペットロスとは

ペットロスの悲しみは愛が形を変えたもの

ペットロスの悲しみは愛が形を変えたもの

 
ペットロス
とは、「最愛のペットを失う喪失体験」を意味します。愛する者を失えば誰にでも起こる心と体の自然な反応です。決して、病気ではありません。家族を失う、友人を失うのと同様に、最愛のペットを失った時、心と体は悲しみの過程を体験することになるのです。

そして、飼い主の方がペットロスを体験する時とは、大きく分けて3パターンあります。

1.ペットを亡くした時
2.ペットと生き別れになった時
3.ペットの命に危機が迫った時(余命を宣告された時)

あまり知られていませんが、ペットロスは、ペットが亡くなった時ばかりに起こるのではありません。ペットの行方が分からなくなる生き別れ、終末期に余命を宣告された時なども、飼い主の方には絶望、恐怖、後悔や罪悪感といったペットロスの反応が現れます。

ペットロス時の心と体の反応

ペットを失った時の心と体の反応は人それぞれです。最愛の存在を失ったのですから、どのような想いが一時的に湧き上がっても、それは異常と判断するものではありません。愛する我が子を失った時に、どのような想いを抱き、どのような身体症状が現れるか想像すると少しイメージがつきやすいかもしれません。例え、どのような反応が出たとしても、それは我が子を愛している故です。愛が一時的に悲しみに形を変えただけなのです。

ペットロスになると、次のような反応が心や体に現れることが多いとされています。

≪心の反応≫
・深い落ち込み・後悔・罪悪感・喪失感・怒り・憎しみ・感覚鈍麻・無気力・希死願望など

≪体の反応≫
頭痛・めまい・眼精疲労・関節痛・胸の痛み・胃の痛み・過呼吸・倦怠感・持病の悪化・睡眠障害・摂食障害・幻聴・幻覚など

ペットロス回復までのプロセス

ペットロスはいくつかのプロセスを経て、回復へと向かいます。回復までの時間は、ご自身が育った環境やペットとの関係性、お別れの仕方など様々な事が影響しますので、一概には言えません。

ペットと過ごしてきた日々は、誰一人として同じではないはずです。だからこそ、周囲の方と比べることなく、焦らず、ゆっくりとご自身のペースで向き合うことが大切です。

≪回復までのプロセス≫
1.ターミナル期
余命が宣告され、不安や恐怖、絶望感に苛まれることもあるでしょう。しかし、ターミナル期とは、飼い主の方が別れに対して「心の準備」をする重要な期間です。突然死の場合は、この期間がない為に、衝撃がより大きなものとなります。

2.死

3.衝撃期
死の直後は、心身の正常な働き(防衛反応)により、一時的に感覚が麻痺し、現実のものと受け入れることが出来なくなります。パニック、希死念慮、号泣、苦悶、不眠、摂食障害など身体にも反応が表れるでしょう。

4.悲痛期
死が現実のものと理解できるようになることで、悲しみが一層深くなり、絶望、後悔、罪悪感、憎しみ、怒りなどの感情も表れるでしょう。
この時期に悲しみを存分に体験せず、抑圧することで重たいペットロス障害に陥る可能性があるので注意が必要です。

5.回復期
死を現実として受け入れることができるようになります。徐々に楽しかったことを思い出せるようになるでしょう。
*悲痛期と回復期を繰り返しながら、再生期へと向かいます。

6.再生期
亡くなったペットに感謝をし、喪失体験を肯定的に振り返ることが出来るようになるでしょう。

ペットロスプロセス解説画像

ペットロス回復までのプロセス


ペットロス回復までの向き合い方

何よりも心に留めて頂きたいことは、「誰に遠慮することなく、どんな時もご自身の気持ちを大切にして過ごしていく」ということです。亡くしたのは、最愛の我が子なのですから、湧き上がる想いを周囲に遠慮する必要はないのです。涙を流したい時は我慢せずに思いっきり泣くことが心と体に優しい向き合い方なのです。

ペットロス症候群の本当の意味

先にも記したようにペットロスとは、決して病気ではなく、愛する者を喪失した時に起こる正常な心と体の反応です。しかし現在、ペットロスのことを一部で「ペットロス症候群」と表現しています。

ペットロス症候群という用語は、本来ペットロスにおける心身への反応が長期化し、そこに障害が認められた時に使用される言葉です。そのことが十分に理解されないまま、あたかも病名のような表現を用いられることは、ペットを亡くした方に不必要な不安を与えるものとペットロス専門カウンセラーとして危惧を抱きます。ペットロスはあくまで愛するペットを喪失した際の正常な心と体の反応であることを心に留めておいて下さい。

変化を遂げるペットロス

私がペットロスカウンセラーの勉強を始めた10年前と現在では、飼い主の方にとってのペットの位置付けが大きく変わりました。

ペットロスカウンセリングを受けて下さる多くの方がペットを「うちの子」と表現します。そして、以前は「ペットを亡くした悲しみは、両親が亡くなった時とは比べ物にならないくらいに悲しい」と言われていましたが、今では「私の実の子供や孫よりも、ペットが可愛い。私にとって、なくてはならない存在です」と言う方も増えてきました。飼い主の方の年齢にもよりますが、今やペットは実の子供以上の存在になるケースもあるのです。その存在を亡くすという事は、まさに自身の分身を失うことに匹敵する悲しみになのでしょう。

ペットロスから立ち直るということ

繋いだ手も結んだ絆も離れることはありません

繋いだ手も結んだ絆も離れることはありません

ペットを失った時、飼い主の方は「ペットロスを乗り越えなくては!」と思い、克服方法を模索します。しかし、ペットロスは克服しようと思って克服できるものではありません。頑張って、歯を食いしばって乗り越えるものではないのです。ペットロスとは、最愛の存在を失った悲しみです。悲しみは乗り越えるのものではなく、受け入れていくものなのです。

ペットロスカウンセリングの中で「ペットロスから立ち直れない。克服方法を知りたい」と相談下さる方には、「まず、我が子の死を克服しようとする前に、生きた証、生き様をしっかり受け入れ、心に生かしていきましょう」とお話します。亡き最愛のペットが心で生きていることを実感できた時、ペットロスは克服しようとしなくても、自然と克服できているのです。


※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。