バレエ/大人のためのバレエ

ターン動作は難しい?ターンのあれこれについて考える

舞台で優雅に回るダンサーを見ると、いつかは自分もあんな風に回れたらなぁと思いますよね。回転技は女性ヴァリエーションにほぼ必ず出てくると言っても過言ではないテクニックです。発表会で、ピルエットや最後のピケ・ターンをビシッと決められたらどんなに華やかでしょう。普段のレッスンで、風を切るように回れたら…と思っている方も多いと思います。ターンの秘訣も交えつつ、ターンについて考えてみます。

執筆者:石島 みどり

バレエのターンは大きく分けて2種類。ターンしながら移動するものと、移動しないものの2つです。移動するしないにかかわらず、両足で回るのか、片足で回るのか、内回りなのか、外回りなのかなど、いろいろと分けることが出来ます。今回は移動するターンと移動しないターンについてお話します。


移動系のターン

一言でターンと言ってもいろいろな分け方があります。

一言でターンと言ってもいろいろな分け方があります。

ピケ・ターン、スートゥニュ・アントゥールナン、シェネ・ターンが代表的な移動系のターン動作です。ピケ・ターンは片足、スートゥニュ・アントゥールナンとシェネ・ターンは両足でターンします。

片足でターンするピケ・ターンは、軸足と動足で異なる動きをするので、比較的容易に回れると思います。スートゥニュ・アントゥールナンとシェネ・ターンは、両足が同じような動作をします。両足を常にコントロールするように気をつけたいところです。

◎ピケ・ターン (ルティレ) を攻略してみよう!
ピケ・ターンでは、ルティレに上げた足をすぐに下ろしてしまう傾向があるようです。軸足に立つと同時にルティレに上げた動足は回っている間は下ろさないようにします。カウントで考えると、1で軸足の立ちと動足の上げを同時に行い、2で軸足のターンと動足のルティレをキープ、3で軸足のプリエと動足の前出しを同時に行う。このように3つの動きを意識しながら行うと、攻略できます。


非移動系のターン

ピルエット、グラン・ピルエット、フェッテ・ロン・ドゥ・ジャンブ・アン・トゥールナンが代表的な非移動系のターン動作です。これら3つの回転は全て片足軸で行われます。

ピルエットの動足はルティレの形を取り、軸足に接触しています。グラン・ピルエットの動足はデガジェやアチチュード、アラベスクなど軸足から離れた形になります。フェッテ・ロン・ドゥ・ジャンブ・アン・トゥールナンの動足は軸足に接触する形と離れる形の両方を取ります。だからフェッテは難しいのですね…。

◎ピルエットを攻略してみよう!
ピルエットを行うときに一番大切な事は、首をつけること。というのは誰でもご存知のことではないでしょうか? 最初の1/4回転まで顔を正面に残し、最後1/4回転で顔を正面に戻す、と教師が指導することがありますが、この前提条件は、「首の可動域が180度であること」 です。

これが曲者なんです。なぜなら、首の可動域が180度ない人には適用できない条件ですから。

あなたの首の可動域は180度ありますか? 首の可動域が180度ない人が顔を正面に残し、そして戻す動きをすると、首がかしげた状態になり、背骨のまっすぐなラインを阻害します。そのため、回転の軸が取れずにバランスを崩し、きれいな回転が出来なくなるのです。

首の可動域が180度ない方は、顔を一生懸命残したり戻したりせずに回転に任せて自然に顔をつけてみてください。きっとバランスよいピルエットが出来ると思います。しかし首の可動域はとても大事ですから、こちらも可動域を広げるトレーニングを続けてください。とにかく、軸のバランスを崩さないことの方が優先。その次に顔のつけ方をマスターすることです。そうすれば回転数が一気にアップします。

お試しあれ!
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