リスク・マネジメントと「不確実性」のリスク

組織マネジメントの重要項目として、リスクマネジメントがあります。組織運営にリスクはつきものです。組織運営におけるリスクは、大きく分けて2種類。ひとつは「不確実性」という意味でのリスク、もうひとつは「危険性」という意味でのリスクです。リスクマネジメントとは、組織マネジメントにおいて発生可能性のあるこの2分類のリスクを顕在化させないかあるいは顕在化した際にいかにその影響を小さく抑えるか、なのです。そのためにはまず、組織運営上抱えるリスクを可能な限り抽出し、それぞれのリスクが顕在化した場合の最悪のケースではどうなるのかを正しく把握し、そしてそれを回避するためにどのような対策が考えられるかを検討します。

解説

相場や価格の変動は「不確実性」のリスク

「不確実性」のリスクにはどのようなものがあるのでしょう。一番身近で分かりやすいものは、価格変動リスクです。その最たるものは、保有有価証券の価格下落リスクでしょう。価格変動リスクをゼロにしたいのなら有価証券資産を持たないという選択肢もありますが、そうもいかないと言うのであれば、有価証券の種類や銘柄を分散させることで、リスク分散をはかるというやり方が現実的になるでしょう。保有有価証券額が多い銀行などは常にこの種のリスクにさらされています。リーマンショック後の世界同時株安状況下において銀行が、リスク分散効果もなく多額の有価証券評価損を計上し軒並み赤字決算なったのは記憶に新しいところです。

デフォルト・リスクは日本語で言うところの倒産リスクあるいは債務不履行リスクです。分かりやすい例を挙げれば、売掛債権などが相手先企業の破たんにより回収不能になるリスクです。デフォルト・リスクに関するマネジメントは、まず何より相手先の信用調査をしっかりとおこなうこと。特に取引開始時だけでなく定期的にチェックをすることが必要です。また一社に偏った取引をすることも大きなリスクとなります。万が一の場合には連鎖倒産にもなりかねません。特に大手の下請けとして取引先が極端に偏りがちな建設業。90年代後半に続発した上場ゼネコン破たんで、多田建設の倒産に絡んで銀行等の救済策もむなしく取引偏重による下請け企業の連鎖倒産が16件にも上りました。