連鎖反応と、不穏な空気

スマートフォンで遊ぶ人の図

こんな変な空気は、ゲームにいらないはずなのです

DQMSLの問題は、それだけにとどまらず連鎖的に反応を起こしました。コロプラが配信するモバイル端末向けのゲームアプリ、「クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ」でも、有料で手に入る「クリスタル」を巡って、返金請求が行われているようです。コロプラは、GoogleやAppleなどのプラットフォーム事業者に不正な返金請求をした場合、アカウント停止処分等の措置をとる場合があるとして、警告しています。

騒ぎに乗じて不正な請求が多々あったのだとすれば、まず警告をする形ではっきりと態度を示すことは正しいのかもしれません。しかし、外側に流れてくるのはとにかく不穏な空気です。ユーザーがメーカーを疑い、メーカーがユーザーを疑う、楽しくなさそうな話です。

メーカーが正しいのか、ユーザーが正しいのか、そんな話ではなくて、こんなもめごとが連鎖的にボコボコと起きていること自体が、よくないのです。ゲームは人気商売なのですから。

安心してお金を払って満足できるゲーム業界に

ドラゴンクエストIIの図

ドラゴンクエストという看板に傷がつくことは、ゲームユーザーからしても、大変に悲しいできごとです

率直に言って、異常です。こんな異常な状態で良いわけがありません。モバイル端末向けのゲームは、ガチャによる課金手法を背景に、急激に市場規模を成長させました。多くの企業が参入し、小さなメーカーにもチャンスがあり、夢のような大成功を収めたゲームもあります。しかし、その急激な成長の中で、歪な関係ができあがり、不穏な空気が流れています。

スマートフォンが普及し、これからさらに色んなゲームが生まれていくはずです。もっともっと面白いゲームが、新しいゲームが誕生していく、そういう分野です。しかし、こんなことを繰り返していては、なかなか成熟していきません。

多くのゲーマーが子供のころから楽しんだ、国民的ゲームといって差し支えない「ドラゴンクエスト」というブランドで、今回のような騒動が起きたことは、ゲーム業界全体にとって痛恨の出来事でした。もっとも、ドラゴンクエストだからこそ、ここまでの騒ぎに発展したとも言えるわけですが。

当のDQMSLは、「プロデューサーレター」という形で、プロデューサーの柴 貴正氏から2度にわたって事情の説明、お詫び、そして改善点についての説明を行い、前述したようにそれまでにユーザーが使用したポイントの返還、さらにガチャによる確率を表示したうえで、これまでより強いモンスターが出やすいように確率の修正等、多くの変更をしました。

責任者が頭を下げて、一度清算し、透明化した上で不満を解消するということで、現状においてはとても良い解答ではないでしょうか。逆に言えば、こういう手が打てるということは、スクウェア・エニックスは何が問題なのか理解している、ということになります。改善に向けて行動もできる、ということです。

今回、記事のタイトルに「騙そうとしているようにみえます」と書きました。客観的事実として、メーカーがユーザーを騙して少しでも多くのお金をかすめとろうと、そういう業界に見えています。もし本当に騙そうとしているのであればとんでもないことですし、そうでなければ大きく信用を失っていることに対して危機感を抱くべきです。

メーカーがたくさんの利益を得ようとすることはいいんです。でなければ業界に発展はありません。しかしそれは、ユーザーが安心してお金を払い、満足して楽しくゲームを遊ぶという、当たり前のことが前提です。この当たり前のことができなくては、この先の未来はありません。今回の騒動をきっかけに、業界全体が問題を共有化し、改善に向けて具体的に進まなくてはいけないと痛感します。

ガイド追記 2014年2月17日、本文に誤りがありましたので修正しました。ドラゴンクエストモンスターズ スーパーライトのゲーム画面における金の地図と銀の地図の割合が変更されていた点について、増えていたのは銀の地図でした。お詫びして訂正いたします。

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