ドラクエがおこした返金騒動
問題になっているのは、スマートフォンで遊べるドラゴンクエストモンスターズ スーパーライトです
さて、この返金騒動、何が問題だったかを考える時に、1つは不当表示の問題があります。簡単に言うと、当たりそうに思わせて、実は全然当たらないなんて酷いじゃないか、ということですね。でも実は、もう1つ深いところで、そもそもゲームメーカーと、ゲームユーザーの信頼関係の問題が大きいのではないかとガイドは考えています。
DQMSLに何が起きたのかをご説明しつつ、モバイル端末向けのゲームが抱えているもっともっと大きな問題についてお話していきたいと思います。
当たりそうな画像は有利誤認?
Appleなどのアプリ配信プラットフォームが返金の要請に応じたというユーザーが出現し、事態は非常に大きくなりました。
モンスターが手に入るダンジョンの地図というのがありまして、これを手に入れることができるのが「まほうの地図ふくびき」という、いわゆるガチャのシステムです。このまほうの地図ふくびきには2種類あります。そのうち、よりレアなモンスターが当たる「金の地図ふくびき」は、有料のジェムというポイントを必要としますが、1回500円相当。しかし、これがやってもやっても、なかなかいいモンスターが出ないということで多くのユーザーから不満が漏れていました。
このガチャでは、金の地図と銀の地図があり、よりレアなモンスターは金の地図で手に入ります。ゲームの画面を見ると箱の中にたっぷりと金の地図が入っていて、銀の地図は少しだけ。いかにも金の地図が当たりそうな雰囲気ですが、実際にはなかなか当たりません。この表示を不当だとして、アプリ配信サービスの大本、GoogleやAppleに返金を求め、しかもそれが認められてお金が返ってきたというユーザーがネット上に現れます。
ユーザーがゲーム画面を見て、かなり高い確率で金の地図が手に入ると誤解してお金を使った場合、景品表示法第4条第1項第2号で定められる有利誤認の禁止に抵触する可能性があります。以下、消費者庁のWebサイトより一部抜粋。
「商品・サービスの取引条件について,実際よりも有利であると偽って宣伝したり,競争業者が販売する商品・サービスよりも特に安いわけでもないのに,あたかも著しく安いかのように偽って宣伝する行為が有利誤認表示に該当します。 」
【関連サイト】
表示対策課 | 消費者庁
実際よりも有利であると偽って宣伝、が当てはまりそうですよね。
騒ぎが大きくなる中、スクウェア・エニックスは事態の収拾に努めるべく動きます。「まほうの地図ふくびき」を利用するために使われたゲーム内ポイントをいったん全て還元、金の地図ふくびきに必要な金額を1回300円相当に変更。かつ、モンスターが出る確率を公表した上で、より強力なモンスターが出やすいように修正しました。
ここまでの流れを追うと、直接的な問題は表示の仕方がまずかった、ということになります。しかし問題の本質はもっともっと根深いところにあるように思います。