セクシュアルマイノリティ・同性愛/LGBT

本格的な結婚式を挙げたゲイカップルにインタビュー(4ページ目)

2013年11月23日(土)、恵比寿のウェスティンホテル東京で同性結婚式&披露宴を行ったゲイカップル、あいけんさん&brassさんへのインタビューをお送りします。ご両親も出席し、一般の結婚式と全く同じように行われた式としては初だったんじゃないかと思います。

後藤 純一

執筆者:後藤 純一

同性愛ガイド

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涙、涙の結婚式

ゲイの結婚式

お色直しをして再登場。照明がゴージャス!

——結婚式の当日はいかがでした?

あいけん「夢の中にいるみたいで、あっという間でした」
brass「現実感があるんだかないんだか、ふわふわした感じで。あわあわしてるうちに終わってしまった」

——ウェスティンホテルってわりと高級な結婚式場。ウェディングプランナーとかにも頼んだんですよね?

あいけん「もともとウェスティンで働いている友達がいて、『結婚式やろうと思ってるんだ』って言ったら、『よかったらうちで』と言ってくれたんです。それでウェスティンのホームページからウェディングの相談の申し込みをした。けど、最初にウェスティンに打合せに行った時、同性結婚式は引き受けられないと、断られたんです」

——そうなんですか?

あいけん「法律に則った婚姻しか受け付けない、重婚とか同性婚とかはお受けできないと言われたんです」
brass「でも食い下がって、今世界では同性婚はどんどん認められている傾向にあるし、ここでみすみすビジネスチャンスを逃すんですか?と、いろいろ話をしました。結果、『いったん持ち帰って検討させてください』ということになって」

——ディズニーランドと同じパターンですね…。

brass「そうなんです。交渉はしたものの結局断られるかな、と話してたら、意外と早く、1日半くらいで回答が来ました。『私どもは、肌の色、人種、年齢、国籍、妊娠の有無、市民権上の地位、家系、婚姻の有無、兵役上の地位、障害、ハンディキャップ、宗教、出自、性的指向性、又はその他の、法的に保護される地位を理由に、他とは異なる対応は致しません。という理念に沿った形で、お二人のウェディングをお受けさせて頂きます』と。感激して泣きました。そうして披露宴会場の検討は1軒目で決まったんです」

——そうでしたか。いろんなドラマがあったんですね。

あいけん「そこからもいろいろ。挙式披露宴に関する書類も全部、新郎新婦になってたんですが、『当日までには直りますので』とプランナーさんも気を遣ってくれた。それとプロフィールビデオってあるじゃないですか。ブライダルフェアに参加した時に二人で気に入ったのがあって、そのテンプレートを使いたいと言ったんですが、そのテンプレート映像の中にも新郎新婦と書いてあって。そのテンプレートはディズニーが提供しているものだったんですが、テンプレートの文字とか音楽は一切変えられないと言われ…意気消沈したんです。が、後日、映像担当の方が『ディズニーにかけあってみたら、OK出ました』って。新郎新婦の文字のところに二人の名前を入れるように交渉してくれて。すごくうれしかった」
brass「特に交渉をお願いしていたわけでもなかったのに、そうやって自主的に動いてくださって。その気持ちがうれしかった。さすがはプロの方たち。先回りしていろいろ考えてくださって」
あいけん「挙式披露宴に関するやり取りでいやな思いをしたことは一度もなかった」
brass「挙式披露宴当日も、ホテルのロビーで写真を撮ったりしてたんですが、ホテルのお客様が『お二人の結婚式なんですか?おめでとうございます!』って言ってくれたり」

ゲイの結婚式

お水を注ぐとグラスがレインボーカラーに光るという演出。素敵!

——へええ。よかったですね!

あいけん「自分達の挙式披露宴のコンセプトとして、異性のカップルと変わらない結婚式をしたいね、って考えていました。同性カップルでも同じことが実現できるんだよっていう気持ちでやっていったので、席次表とかも本名での記載をしたんですが、そこでゲイだとバレたくないという友達や、本名がバレたくないという友達もいて。わかってはいたけど、仲のいい友達からもそういうふうに言われたこともあって、悲しい気持ちになることもあった。でも今後同性婚が当たり前になれば、そういうこともなくなっていくのかなって」

——そうでしたか…。

あいけん「式までの準備で本当に様々な積み重ねがあったので、入場のときから泣いてました(笑)。それは参列してくださった方も同じで。式までのプロセスをいろいろmixi日記として書いてて、参列してくれた友達もそれを知っててくれた人も多かったので」
brass「けっこうな割合で泣いてる人もいたように思います。『男女の結婚式に参加しても何も思わなかったのに、自分も結婚しなきゃって思った』っていう人もいたみたいで」

——わかります。ぼくもNLGRの結婚式は毎回号泣してます。本当によかったですね…(涙)

あいけん「司式をしてくださるホテルお抱えの牧師さんも、実は教義の観点から断られたんです。それで、LGBTパレード等で知っていた平良愛香さんに直接お願いして、受けていただけた」
brass「ふつう挙式はチャペルで行うことが多いと思うんですが、ウェスティンホテルのチャペルは70人しか入れない。披露宴はもっと大人数ご参列いただく予定だったので、披露宴会場で、最初の30分を使って人前で挙式をやろうってことになった。それがすごく評判がよかった。敬虔な気持ちになれたとか。指輪の交換とか、宣誓書に署名したりとか。賛美歌も歌ったし」

——参加したかったです。今度ビデオを見せてくださいね(笑)

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