弁護士が教える「武器と盾になる話し方」
現役弁護士が教える武器と盾になる話し方
弁護士が教える話し方(1)「つっこまれそうな点を予想して話す」
違う側面から見た考え方や反対の考えなども話題にしながら「でも」「しかし」と話していくといいでしょう。
例:「これに対しては、○○じゃないかという疑問もあるかも知れませんが」
「このような話をすると、○○とのご批判もあるかも知れません」
*ガイドのお勧めポイント
過剰に反応してしまう人は予防線を張っておくことが大事ですよね。突っ込みポイントを事前に考える作業は、説得力のある話し方の訓練にもなるので一石二鳥です。
弁護士が教える話し方(2)「相手の質問内容を確認する」
質問した内容を確認すると相手も「理解してくれているのだな」と安心します。確認で時間を確保することで、答えにくい質問にも動ぜず答えられるようになります。
例:「いまのご質問は、○○ということでよろしいでしょうか」
「今のご質問は、○○、○○、○○の三点ということでよろしいでしょうか」
*ガイドのお勧めポイント
要領を得ない質問をする方もいます。相手の質問内容を確認することは、的確な答え方に繋がり、自分の印象や評価にも繋がるので習慣にしたいところです。
弁護士が教える話し方(3)「強引な人にはもう一度説明させる」
黙って聞いていると「○○ですよね」「こんなことは常識ですよね」等、あたかも同意を得たかのように話を進められてしまいがちです。都合の悪いことは避けて早口で話す人もいます。そんな時にはもう一度説明してもらい不明瞭な点を明らかにしましょう。
例:「もう一度説明していただけますか」
「ゆっくりとお願いします」
*ガイドのお勧めポイント
これは交渉の時などにもよく使われる手法です。流れを変える、調子を狂わせるというのは意外に効果がありますし、考える時間も稼げますので覚えておくと便利です。
弁護士が教える話し方(4) 「攻撃を受けたときは相手の矛盾を突く」
人からいわれもない攻撃を受けることも、ときにはあるでしょう。明らかに不合理なことを言われたり、不当な要求をされたりした場合には、相手の主張の矛盾を突くというのが有効です。
例:「いまのお話は○○と矛盾していませんか」
「さきほどおっしゃっていたことと違いますよね」
*ガイドのお勧めポイント
矛盾点への着目は「論理的に話す力」を鍛える方法の一つ。批判的な見方ばかりしては嫌われますが、矛盾点に着目することで自分の話し方も変わっていきます。
弁護士が教える話し方(5)「批判や反論に対して素晴らしいと伝える」
あなたのためを思って指摘してくれていることもあるでしょうし、批判や反論を褒めると相手は意外な反応に喜ぶものです。主張があわないときでも、人まで嫌いになる必要はありません。
例:「鋭いご指摘だと思います」
「鋭いコメントをありがとうございます」
*ガイドのお勧めポイント
感情と問題をわけて考える。それを相手に伝える。この2つは、トラブル時に大事なことです。「あなた自身を嫌っているのではありません」といった意味の言葉は、多くのバリエーションを用意しておくといいでしょう。
弁護士が教える話し方(6)「自分がわからないことには答えない」
嘘のない範囲で上手に説明することは社会人としても求められることです。しかし、確認すべきなのに、それをしないで説明してしまうのはアウトです。ごまかせたと思っても、相手は「適当な人だな」と思って聞くのをやめたのかも知れません。わからないことは適当に答えず、確認する旨を伝えましょう。
例:「少しお待ちください、確認します」
「その点については○日までに確認してご連絡いたします」
*ガイドのお勧めポイント
わからないことがあるのは決して恥ずかしいことではありません。どうしても言いにくい時には「念のため確認させてください」というフレーズもお勧めです。
さらにコツを探るべく、著者へインタビューを行いました。次のページでご紹介します。