話し方・伝え方/話し方・話題作りの基本

ビジネスパーソンの武器と盾になる話し方(3ページ目)

突然のクレーム、ドキっとする質問、責任のなすりつけ・・・etc 攻撃的ともいえるコミュニケーションに遭遇した時、皆さんはどう対処していますか?動揺している時というのは思わぬ対応をしがちです。レスポンスがまずかったばかりに、自分に責任があるかのような印象になってしまうこともあります。相手の主張をうまく受け止める「盾になる話し方」、反論しなければならない時の「武器になる話し方」を知っておきましょう。

藤田 尚弓

執筆者:藤田 尚弓

話し方・伝え方ガイド

著者にインタビュー「武器と盾になる話し方」とは

さらにコツを探るべく「プロ弁護士の武器と盾になる話し方」の著者、木山泰嗣先生にインタビューをしました。
Q.この本はどのような人を対象にして書いたのですか?

A.20代、30代、そして40代くらいまでの仕事をしている人に向けて書きました。むずかしいことでなくて、だれでも始められそうなこと、そして興味をもって読んでいただける内容にすることを心がけました。

そういう意味では、話すことが苦手で仕事でも積極的になれないような社会人の方や、自分に自信を持てず、アルバイトでも接客を避けてしまうような学生の方に、自信をつけていただくための武器と盾をお教えできればと、そういう本です。


Q.予想外の質問や反論でドキっとさせられることもあります。 相手の反論ポイントを予想する時に先生が気をつけていることがあれば教えてください。

A.反論の方法については、特に『反論する技術』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)という本で1つのテーマとして本を書いているのですが、本書でも、話す上での反論の方法にも触れました。

まず、反論に動じないで対応できることが重要です。この状態ができれば、何もおそれることはありません。方法は簡単です。相手の立場に立って考えてみること。相手の立場であれば、どんなことをつっこみたくなるか、どんなことを質問したくなるか、どんな点をたたきたくなるかと考えてみるのです。

ポイントとしては、相手が持っている情報と資料だけで考える、ということですかね。相手の立場で考えることが大事です。これは段取り力みたいなものでもありますから、意識さえすれば、実践はそれほどむずかしくありません。まずはやってみること、です。

ここでもうひとつ重要なのは、予想するだけでなく、そういうことを聞かれたら、どう返そうか(どのように答えようか)ということも、あらかじめ考えておくことです。完璧な答えを用意する必要はありません。極端な話、「その点についてはあとで確認いたします」と答えようでもいいわけです。それでも、事前に予想して対応を考えておけば、相手のつっこみや質問が来ても、平然として(予定どおりに)淡々と「わかりました。あとで確認いたします」と答えられます。


Q.相手の主張の矛盾点を探すときのコツや訓練方法があれば教えてください。

A.口頭でされる主張の場合であれば、メモをとることです。メモをとりまくって、前の発言と矛盾がないかみてみることです。あとは「あれ?」と思うことがあれば質問や確認をして、相手の回答を引き出すことも有用だと思います。

自分のペースでしゃべる場合と、人に聞かれて答える場合では、でてくる回答に変化があることがあるからです。


Q.相手の反論や質問を褒めてから主張をする際、気をつけている点はありますか?

A.特にはないのですけど、ほめるときは心からそう思うことでしょうか。わたしはけっこう「そうかなるほど」と思ってしまう性格なので、反対の意見の時でも感心した時には正直に伝えるようにしています。


Q.この記事の読者に、一言お願いします!

A.日本人は議論が苦手な人が多いと思いますが、議論というのはゲームのようなものではないでしょうか。あとくされなく、お互いに主張はぶつける。おそらく話ベタな人は、相手の感情や反応に敏感で、それを恐れるというか、気にするのだと思います。わたしがもともとそうなので、その気持ちはよくわかります。

弁護士になると裁判などでいろいろ議論をぶつけるわけですが、弁護士は本人ではないんですよね。両方に弁護士がついていれば、お互いに代理人同士が議論をぶつけることになります。そうすると、当事者本人ではありませんから、へんに感情のもつれなどを考える必要はない。お互いに自分も相手の立場(相手の代理人)になれば、こう主張するんだろうなとかわかっているので、そういう環境になって仕事をしてみて、堂々と議論ができるようになりました。

こまかいテクニックというか型はいろいろありますので、本書で参考になるものは取り入れていただければと思いますが、あとは実践あるのみなので、最後は勇気だと思います。自分の殻を破ること。そのために、自分流ではなく、弁護士流を使っただけだと思えば、これまでの自分と違った話をラクにできるのではないでしょうか。

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