マンション物件選びのポイント/マンションの間取り

マンションの間取りの基本:中廊下型マンション(2ページ目)

高層マンションなどで採用される中廊下型タイプのマンションは、共用廊下が屋内のためホテルライクな演出ができますが、採光・通風条件が厳しいので間取り選びは慎重にした方がよいでしょう。

井上 恵子

執筆者:井上 恵子

住まいの性能・安全ガイド


中廊下型マンションの間取りのポイント

中廊下型マンションでは共用廊下側に窓を設けることができないため、建築基準法上採光・通風が必要な居室(リビングや寝室など)を共用廊下側に配置することができません。それらの部屋をどう配置しているか、ここが注目すべきポイントとなります。

例えば、1LDKの間取りであれば、リビングと寝室をバルコニー側に持ってくればよいのですが、では2LDKの間取りの場合はどうなっているでしょうか。下記の2通りが考えられます(住棟の両端にある角住戸は採光・通風条件が異なるので除く)。

(1)バルコニーに対する間口が広いワイドスパン型住戸(間口9メートル前後)
→バルコニー側に面してリビングと個室2室、計3居室が配置される

(2) バルコニーに対する間口が通常サイズの住戸(間口6メートル前後)
→バルコニー側に面してリビングと個室1室(計2室)+リビングに接して奥まった位置に個室1室

(1)のケースは居室が全てバルコニー側に配置されるので居住環境はよいと言えます。注目は(2)のケース。こちらのケースについて【図2】で検証してみましょう。

中廊下型マンションの間取り例

【図2】は中廊下型マンションの2LDKの間取り例です。採光・通風はバルコニー側のみ確保できる条件の、通常の間口サイズの住戸です。
【図2】中廊下型マンションの間取り例。専用床面積60m2、2LDK。

【図2】中廊下型マンションの間取り例。専用床面積60m2、2LDK。


リビングダイニングとメインベッドルームになる洋室(1)の2室をバルコニー側に配置し、洋室(2)はリビングに接する奥まった位置に設けています。洋室(2)には窓はありません。

建築基準法の特例:二室採光とは

この洋室(2)は、どうやって採光・通風を確保しているのでしょうか。実は、建築基準法ではこのように奥まった位置にある居室に対し、採光条件の特例を設けています。

【図2】をもう一度ご覧ください。リビング・ダイニングと洋室(2)の間は引き戸になっており、随時開放可能になっています。このような間取りの場合、リビング・ダイニングと洋室(2)は、1室と見なすことができ、合計の床面積に対して必要な採光や換気面積を確保できれば、洋室(2)も居室として認められることになっています。このような取扱いを「二室採光(にしつさいこう)」と呼んでいます。

次のページで二室採光についてご説明いたします。

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