投資信託/要注意!投資信託のリスクと落とし穴

投資信託のリスクは標準偏差でわかる!

NISAスタートをきっかけに投資信託に興味を持つ人が増加中。しかし中には、「やっぱりリスクがあるから…」と足踏みしている人も多いようです。最大損失がどれくらいかわからないものは手が出なくて当たり前。ですが、投資信託のリスクはある程度はイメージできるものなのです。投資信託のリスクをあらわす「標準偏差」についてぜひ知っておきましょう。

執筆者:村岡 里香

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投資信託のリスクは予測できる!

投資信託を買うなら標準偏差は要チェック!

投資信託を買うなら標準偏差は要チェック!

まずは、リスクの意味から確認しておきましょう。普段はよく「危険」といった意味で使われる言葉ですが、投資の世界でのリスクとは「収益のばらつき」のことを意味します。収益がどれくらいの範囲でぶれているのか、その範囲が大きければ大きいほどリスクが高いということになります。

この収益のばらつきは、一般的に標準偏差で表されます。投資信託の運用成績の説明で「リターン○%リスク○%」とあれば、そのリスクとは標準偏差のこと。σ(シグマ)と表記されることもあります。標準偏差は統計学上の指標のひとつで、過去のデータから求められます。具体的には、「年間平均リターン±1標準偏差に収まる確率は68.3%」、「年間平均リターン±2標準偏差に収まる確率は95.4%」と見ることができます。

標準偏差(リスク)の見方

たとえば下の図をご覧ください。揺れている振り子は、投資信託の1年ごとのリターンのブレ幅をあらわしています。平均リターンが7%、標準偏差が20%のファンドであれば、一年後のリターンが「プラス27%~マイナス13%に収まる確率は約68%」「プラス47%~マイナス33%に収まる確率は約95%」ということになります。

年間平均リターンを中心に標準偏差のぶんだけブレる可能性がある

年間平均リターンを中心に標準偏差のぶんだけブレる可能性がある。この図は平均リターンが7%、標準偏差が20%の商品の場合。


つまり「一年後のリターンの平均的な予想は7%だけれど、運用がうまくいけば27%、悪く転べば-13%になることもある」とイメージできるわけです。加えて「極端に転べば47%や-33%になることもあるんだな」ともイメージしておくと良いでしょう。

ちなみに世界の主な株価指数のリスク・リターン実績は、国家公務員共済組合連合会の参考資料によると以下のようになっていますのでご参考ください(2003年10月~2013年10月の実績)。

■MSCIコクサイ・インデックス(対象:日本を除く先進国の株式)・・・リターン:7.13%、標準偏差:20.22%
■MSCIワールド・インデックス(対象:日本を含む先進国の株式)・・・リターン:6.77%、標準偏差:19.73%
■MSCI エマージング・マーケット・インデックス(対象:新興国の株式)・・・リターン:11.7%、標準偏差:26.53
■MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(対象:先進国+新興国の株式)・・・リターン:7.02%:20.18%

投資信託の標準偏差はどこで確認できる?

投資信託の標準偏差を確認できるサイトに、モーニングスターや投信まとなびなどがあります。お目当てのファンドが同類ファンドとくらべリスクが高すぎないか、投資対象が同じファンドの中でもリスクを抑えられているものはどれかといった比較に役立ちます。

さらにこれらのサイトには、「とったリスクに対しどれくらいのリターンを上げているか?」を示すシャープ・レシオという指標も掲載されています。シャープ・レシオは「(リターン-無リスク短期金利)÷標準偏差」でもとめられる値。数値が大きいほどリスクをおさえつつ高いリターンを得ている、つまり効率的な運用を行っているといえますのであわせてご参考ください。

リスクは分散投資、時間分散でコントロール

このように、投資信託を購入する際は標準偏差を確認することであらかじめ最大のブレ幅をイメージすることができます。自分が許容できるブレ幅のものを選んでおけば、運用中に値下がりしても慌てず対処することができるでしょう。ただし100年に一度といわれたリーマンショックの年では95%の範囲を超えて下振れしたケースもあります。思わぬ大きな下振れを避けるためにも、異なる資産に分散投資することと投資タイミングを分散させることは欠かせません。

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