投資信託/NISA(日本版ISA)とは?その活用法

リスクコントロールはNISAの枠外で行うこと

NISAの運用はローリスクの商品で、という人もいますが、NISAの非課税枠を最大限に活用するには、出来るだけ期待リターンの高いものに投資した方が、より効果的です。そして、リスクコントロールは、NISAの口座の枠外で行うのが合理的です。

鈴木 雅光

執筆者:鈴木 雅光

投資信託ガイド

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NISAの枠外で資産のリスクコントロールをすることが大事

DCに加入できる環境にあるならば、NISAはより大きな利益を得た時点で利益を確定させるという、トレーディングに近い感覚で利用することも可能

DCに加入できる環境にあるならば、NISAはより大きな利益を得た時点で利益を確定させるという、トレーディングに近い感覚で利用することも可能

NISA(少額投資非課税制度)の運用に関しては、ローリスクの商品で運用した方が良いという意見もあります。大きな損が出たから課税口座に移管して様子を見るというのはひとつの手ですが、課税口座に移管させた後に価格が戻ると、値上がり益にしっかり課税されます。これでは、何のために長い間、NISAの口座で運用したのか、分からなくなってしまいます。

ですから、NISAで投資する際は価格変動リスクの小さいものが良い、という結論になるのだと思いますが、ここであまり保守的な運用を行うと、これまた何のための非課税メリットなのか、分からなくなります。

非課税メリットを活かしつつ、リスクもしっかりコントロールするにはどうすれば良いのか。それは、NISAの枠外でリスクをコントロールすることです。

いくら何でも、NISAのみで資産のすべてを運用する人は、ほとんどいないと思います。誰でも、円建ての預金には一定額のお金が入っているでしょうし、債券を持っている人もいるでしょう。その他、外貨預金などの外貨建て金融商品や保険商品、不動産など、さまざまな組み合わせで、自分自身の保有資産が築かれているわけですが、これらすべてを合わせると、まさに「バランス型のポートフォリオ」を保有していることになります。

例えば、NISAで100万円を期待リターンの高いリスク資産で運用すると同時に、円建ての預金口座に500万円を入れておけば、ポートフォリオ全体に占めるリスク資産の比率は16%程度に抑えられます。これが、NISAの枠外でリスクをコントロールするという意味です。

DC(確定拠出年金)とNISAとを上手に使い分けて

個人が利用できる非課税の投資口座としては、NISA以外にDC(確定拠出年金)があります。他の口座との兼ね合いという点で考えると、もしDCを利用できる環境にあるならば、NISAとどう使い分けるのかという点も、考えた方が良いでしょう。

個人型DCの場合、掛金全額が所得控除の対象になり、運用益は非課税。さらに給付時にも公的年金等控除や退職所得控除などの適用が受けられるなど、NISAに比べてより大きな非課税メリットが得られますが、加入者が60歳にならないと、積み立てたお金を受け取ることができません。DCに積み立てているお金は、よほどのことがあったとしても、解約できないと考えた方が良いでしょう。

反面、NISAはDCに比べると非課税メリットは小さいのですが、いつでも解約できるという換金性の高さが魅力です。

こうしたメリット、デメリットの比較で考えても、長期的な資産形成はDCの積立で行うのが妥当です。DCに加入できる環境にあるならば、NISAはより大きな利益を得た時点で利益を確定させるという、多少、トレーディングに近い感覚で利用することもできます。
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