塩化ビニルを用いた床材。耐水性に優れ、汚れに強く掃除も楽
一般的な住宅の床材の主流は、木質系のフローリング。新築でもリフォームでも、一戸建てでもマンションでも広く用いられていますが、キッチンや洗面脱衣室、トイレなど水まわりには、クッションフロアを取り入れるケースもみられます。クッションフロアとは、CF(シート)と呼ばれる、塩化ビニルを用いた長尺シート状の床材のこと。ビニールの表面材にクッション材が裏打ちされているので適度な弾力性があり、足腰が疲れにくいのが特徴です。表面がビニールなので、耐水性に優れ、汚れにも強いく、お手入れが簡単なのも大きなメリットでしょう。
掃除がしやすいので清潔なダイニング空間を保つことができる。すっきりとしたモダンなインテリアに。[トラバーチン] サンゲツ
比較的安価で、施工も簡単。DIYで取り入れることも
住宅用のクッションフロアは、幅182センチ程度(メーターモジュール用の200センチのタイプもあります)。厚みは、1.5ミリ程度から3.5ミリ程度のものまでみられ、遮音機能を持たせたより厚いタイプも。厚みによって、歩行感や衝撃吸収性、保温効果などが異なるので、使用する空間に合わせて選ぶようにしましょう。クッションフロアはシート状となっているので、使用するスペースに合わせて自由にカットすることが可能。接着剤で張り付けるなど、比較的簡単に施工することができるので、制限の多いリフォーム時に用いるケースも多くみられます。
また、ハサミやカッターでカットできるなど、扱いやすいので、DIYでの張り替えにも向いている素材です。ホームセンターやネットショップなどでも、手軽に購入することができるのも魅力でしょう。
防カビや消臭など、機能性を高めたタイプもみられる
最近では、汚れが付きにくく落としやすい防汚加工を施したり、UV樹脂コーティングなどで耐久性を高めたもの、また、カビの発生や繁殖を防ぐ加工を施したタイプ、細菌の増殖を抑える抗菌や消臭機能を持つもの、床暖房に対応した商品など、機能性を高めたタイプも揃っています。水まわりだけでなく、弾力性があり、掃除がしやすいクッションフロアは、介護が必要な高齢者がいらっしゃるご家庭で使い勝手がいいケースも。また、屋内でペットを飼育する場合の床材としても適しています。ペットの足音が下階に響きにくいもの、臭いを抑えるもの、キズが付きにくい、すべりにくいなどの特徴を 持つペット用に開発された商品もみられます。
置くものによっては凹みが。熱にも注意を
気をつけたいのは、クッションフロアはクッション性があるので、置くものによっては凹みや跡ができてしまうこと。熱に弱いという面にも注意が必要です。また、べたつき感をおさえたタイプもみられますが、ビニールの表面の足触りは好みが分かれるところでしょう。素材や商品によっても異なりますが、一般的な木質フローリングなどと比べると、その素材感や風合い、耐久性に差があることは否めません。
商品バリエーションも豊富。表面に加工を施したデザインも
メーカーから提案されているクッションフロアは、商品バリエーションも豊富になり、さまざまな色や柄が揃っています。無地調のものはもちろん、メイプルやオーク、ウォルナットなどの木目を模したもの、大理石や御影石などを模したのも、タイルや幾何学模様などのデザインも。レトロでアンティークな雰囲気や北欧デザインなどのパターンを取り入れたタイプもみられるようになりました。表面の加工によっても表情は異なり、表面に細かい凸凹を付けたエンボス加工、マットで滑らかな質感を施したものタイプもあります。
大きなサンプルやショールームでデザインや素材感を確認して
さまざまな種類の商品があるので、選ぶ際には、できる限りショールームで確認することが大切です。カタログや小さなサンプルでは、ビニール特有の質感や色味、デザインパターンの大きさなどが分からないことも。他の床材と同様に、壁や天井材とのコーディネート、キッチンや洗面化粧台など設置する設備機器との組み合わせにも配慮するようにしましょう。【関連記事】
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