子どもの本の女王がおくる『雪の森のリサベッド』
『長くつ下のピッピ』『ちいさいロッタちゃん』などで有名な、子どもの本の女王・リンドグレーンが、白い雪の森を舞台に小さな姉妹の物語を書きました。それが、今回ご紹介する『雪の森のリサベッド』です。この作品は、現在は、縦書きの読み物として出版されていますが、もともとは絵本として書き下ろされたものですので、美しい挿画がたくさん添えられていて、それも見どころの1つになっています。少し長いお話も聞けるようになる6歳くらいからのお子さんに、是非おすすめしたい冬の1冊です。いつも元気なリサベットがとんでもない災難に……
『雪の森のリサベット』の表紙に描かれた少女たち(名前はリサベッドとマディケン)をすでにご存じの方もいらっしゃることでしょう。2人は、リンドグレーンの『おもしろ荘のこどもたち』で活躍する元気いっぱいの姉妹です。2人は、いつもとても仲良しですが、今回はお姉さんのマディケンが風邪をひいてしまい、リサベットだけが、お手伝いさんのアルバと街へ買い物に出かけます。ところがリサベットは、ちょっとしたいたずら心から、アルバの言いつけを守らず、通りすがりのそりにのってしまったから、さあ、たいへん! 街から遠く離れ、挙げ句に森の中でそりを降ろされてしまいます。
独りぼっちで、森に取り残されてしまったリサベットの心細さ、その不安をなんとか克服しよう頑張る健気な様子、帰らない妹を心から心配する姉マディケンの優しさ、そして幼い姉妹に対する周りの大人たちの愛情などを、リンドグレーンが丁寧に描いていきます。
【書籍DATA】
アストリッド・リンドグレーン:作 イロン・ヴィークランド:絵 石井登志子:訳
価格:1785円
出版社:徳間書店
推奨年齢:6歳くらいから
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※「 2月 心が温かくなる5つの雪物語」 でも、『雪の森のリサベット』をご紹介しています。