中古・新築とも堅調なマンション市場
年初のオープンでも大量集客物件も
2014年がスタートして一カ月が経ちます。例年1月は、「今年こそマイホームを」と思う人が増えるタイミングでもあり、新築マンションの新規物件の広告や案内会が多くスタートする時期です。ラインナップを見ながら2014年のマンショントレンドをチェックしましょう。東日本不動産流通機構発表の2013年12月度の月例速報によれば、2013年12月の首都圏中古マンションの成約件数は、対前年比22.7%アップの2,900件。成約平米単価も対前年比で5.6%アップで、堅調な売れ行きが続いています。在庫物件数は、1年前と比べて19.7%も減少しています。
不動産経済研究所の首都圏のマンション市場12月度によれば首都圏の新築マンションの12月の発売戸数は 8,246戸と前年比で 6.1%の増加。好調な市況を反映し供給戸数も増えています。成約率も76.1%と堅調な売れ行きです。 年初のモデルルームでの集客状況も堅調です。昨秋スタートした、都心エリアや湾岸エリアの継続期の大規模マンションや郊外エリアの新規物件の中には、年初の連休で100組を大きく超える来場数のマンションもあったようです。
また、消費税5%の期限が近づいていることもあり、3月末入居可マンションにも注目が集まっています。全般的な新築マンションのマーケットを見ると、総じて売れているというよりも好調物件に人気が集中する傾向があり、選別化は見られます。
2014年は、郊外中核都市の再開発プロジェクトに注目
湾岸エリアの供給はさらに加速 都心エリアは、継続期にも注目
2013年は、「キャピタルゲートプレイス」や「Brillia Tower 池袋」など都心エリアの大規模再開発プロジェクトが注目を集め、短期間に完売するマンションが続出しました。また、都心エリアのブランド立地マンションの供給も多く見られました。2014年も2013年と同水準の供給ボリュームが予想されていますが、まず注目したいのが郊外エリアの再開発プロジェクトです。エリアとしては、埼玉県では武蔵浦和。千葉県では津田沼や柏、神奈川県では、武蔵小杉などです。「ザ・レジデンス津田沼奏の杜」(三菱地所レジデンス、野村不動産、三井不動産レジデンシャル)は、津田沼駅に広がる約35万平米の再開発街区の最大級869邸の免震マンション。公園に近接した街区のビッグプロジェクトということもあり、既に多くの来場を集めているようです。柏駅徒歩3分の27階建て再開発免震タワー「ライオンズタワー柏」(大京)も注目プロジェクトです。
武蔵小杉では、現在駅前で複合大型商業施設「アリオ武蔵小杉」が建設中。近接街区の「シティタワー武蔵小杉」(住友不動産)は、立地面から注目プロジェクトです。 また、湾岸エリアの供給も2014年はさらに活発化しそうです。晴海エリアや勝どきエリア、田町エリア、品川エリアなど供給が広範囲にわたります。中でも注目なのが、総戸数1420戸の53階建て超高層タワーマンション「KACHIDOKI THE TOWER」。中央区勝どき五丁目の再開発プロジェクト。都心近接のロケーションからのビューやスケールメリットを活かした共用施設も魅力です。好調な売れ行きを示している「スカイズタワー&ガーデン」に続く「ベイズ タワー&ガーデン」にも注目です。
都心エリアでは、「Tomihisa Cross」をはじめ「パークシティ大崎 ザ タワー」の売れ行きが堅調です。人気物件の継続期には注目したいと思います。また、小石川植物園隣接地の全167邸「インペリアルガーデン」や全261邸の「ザ・パークハウス 上鷺宮」など第一種低層住居専用地域に立地する大規模マンションの供給も2014年の特徴です。住居系立地の低層大規模マンションの供給は過去にも供給事例は少なく、プランニングに注目です。
過去を見ても、その年ならではの注目物件が数多く供給されています。かつては地域ナンバーワンだった物件も、2番手、3番手と順位を下げることもままあります。資産価値を維持するためには、エリアの他のマンションと一線を画す『違い』が必要になってきます。
次ページでは、竣工マンションを参考にマンションの価値を左右する『違い』を考えてみましょう。