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新たなる伝説の予感 RENDOの靴 後編

前編では各モデルや履き心地の特徴をご紹介したRENDOの靴。後編ではその履き心地の秘訣になるパーツや、浅草の直営店でのサービスなどについてご紹介致します。駅からちょっと歩きますが、訪れる価値大いにあり!

飯野 高広

執筆者:飯野 高広

靴ガイド

履き心地の秘訣は内部にもあり!

アッパーの中!

アッパーを木型に吊りこむ前の状態を、ライニングをめくって見てみた写真。中央両脇にあるキツネ色のパーツが「ダブラー」と呼ばれる補強芯です。ここまで長く入っている靴は、日本ではほとんどない筈。履き心地の安定性と靴の堅牢性の向上に大きな役割を果たします。

見た目も履き心地も「バランスの良さ」が際立つRENDOの靴。後者に関しては、甲からボールジョイントにかけての上下方向のみならず、これまでの我が国の紳士靴では余り味わうことのできなかった、かかとから土踏まず部にかけての「側面の押さえ」を実感できるのが特徴です。その大きな秘訣は、実は通常は目にすることができない箇所に隠されています。

上の写真をご覧下さい。簡単に申せば、靴のアッパーをライニングと合わせて木型に釣り込む前の状態なのですが、両脇にあるキツネ色のものに特にご注目いただきたいのです。これは「ダブラー」と言われるアッパーとライニングの間に挟み込まれる一種の補強芯で、これがトウキャップのすぐ後から一気に長く伸びていますよね。「側面支援」が心地良いのは、正にこれのお陰! 海外の既製靴、特にイギリス製の紳士靴では暫し行われているものの、日本の紳士靴ではダブラーは通常ここまで長くは用いません。そしてこのダブラー、安価な布や不織布を用いることも多いのですが、RENDOの靴では贅沢に牛革を用いているので、アッパーの柔らかさを損ねることなく靴の堅牢性を増すのにも大いに役立っている訳です。
後方からチェック

RENDOの靴を後方から眺めてみました。外くるぶし側と内くるぶし側で、カーブが大きく異なっているのがお分かり頂けると思います。外くるぶし側への微妙な傾きも、近年の日本人男性の足の「くせ」を配慮したものです。

勿論木型、特にかかとや甲周りの造形も良好なフィット感に繋がっているのは言うまでもありません。真ん中と下の写真をご覧いただければお解りの通り、かかとは外くるぶし側と内くるぶし側の「膨らませ方」が、逆に甲周りは双方の「削り方」が全く異なります。今日の日本人男性の足の形状を的確に捉えたダイナミックな造形なのですが、この2箇所の写真だけ見るとかなり歪な形状の靴のように誤解されるかもしれません。しかし全体から眺めると違和感が全く無く、むしろ非常に自然に映ってしまうのがRENDOの靴の醍醐味! 「製造するのに相当な技術が求められる靴だよなぁ……」と思わせてくれると共に、プロデュースする吉見氏と製造するファクトリーとの、正に「連動」を実感できる見た目と履き心地なのです。
前方からチェック

今度は前方から眺めてみました。外くるぶし側と内くるぶし側での尾根線の違いに注目! 足によりフィットするよう、木型を何度も試作を重ねて完成させた複雑な面構成です。なのに靴全体でみると全く違和感がないのは、木型と型紙の双方を作成できる吉見氏だからこそ!

そしてRENDOの靴は品質の割に価格がお手頃なのも素晴らしい点! その理由は次のページで!
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