同じ木造住宅でも構造により保険料には大きな差が
木造住宅、火災保険でいうところの「耐火」とは?
清水 どのような?
Iさん 木造住宅と一口に言っても構造によりH構造(非耐火)とT構造(耐火)があって、保険料が倍ぐらい違うんです。お客様がT構造だと思っていたのに実際はH構造だった、という場合、「高い!どうして?」と驚かれてしまうこともあるんです
清水 なるほど。
Iさん T構造・H構造で保険料が異なるのはどの保険会社の商品も同じですので、加入前にお客様にはぜひ知っておいてほしいところです。
清水 T構造と判定される木造住宅は「省令準耐火建物・準耐火建築物」などの限られたもので、実際の木造住宅ではH構造の方が多いようですが、どうして「T構造のはず」と勘違いするお客様がいるのでしょうか?
Fさん よく耳にするのは、外壁の素材が書いてあるところに「耐火性能」と記してあったりするんですが、それを見て火災保険の構造も「耐火」と判断してしまうのかもしれません。
清水 へえー。
Fさん 「防火サイディングだからT構造ですよね」というお客様もいましたね。あるいは、「防火地域だから耐火」とか。どこかに「防火」「耐火」の表示があるからと言って、イコール火災保険の構造も耐火になるわけではないんです。
清水 なるほど。これは結構ありがちな勘違いポイントかもしれません。
自然災害の発生で問い合わせが増加
清水 最近は自然災害が多いですが、コールセンターにも影響はありますか?Tさん ありますね。昨年は竜巻が相次いで、ニュースの影響でコールセンターへの問い合わせが一気に増えましたね。台風や水害でも同じように影響があります。
I さん 「うちの契約は、竜巻も補償される内容でしたっけ?」とか。申し込み手続き中の方ですと「やっぱり風災もつけてください」などお客様から反応があります。
Oさん 大島の災害で、台風での土砂崩れは「水災」として補償されることを、お問い合わせで初めて知ったお客様もいらっしゃいます。
清水 なるほど。災害発生時、気になったらコールセンターにすぐ問い合わせられるのは便利ですね。地震保険に関する問い合わせはどうですか?
Tさん 地震保険金額が火災保険金額の50%が上限であることを知らなくて「これじゃ建て直せない」「意味ない」などとおっしゃるお客様は多いです。また、「地震保険だけ加入したい」という人もいらっしゃいますね。
I さん 法律の上では、地震保険金は被災者の生活再建のための資金とされていますが、建物を建て直すための資金と捉えているお客様もいて、地震保険そのものに対するお客様の認識は、保険会社の認識とかなり隔たりがあるように感じますね。
清水 なるほど。
Fさん それから、地震保険だけでなく契約をするとき、同じ地域に住む人がどんな保険に入っているのか、お客様は結構気にされますね。そこには、都道府県ならではの災害に備えたい気持ちもあるのかもしれませんね。
清水 他には具体的に、どのようなアドバイスをすることが多いですか?
Oさん マンションでしたら、水濡れ損害と個人賠償保険は入ったほうがよいですとアドバイスしますね。自分で自由に決められるお客さまはそれほど多くはなくて、むしろ道筋をつけることで選びやすくなるお客様が多いです。
住宅ローン時の火災保険は1~2か月前からの手配がおトクに
清水 住宅ローンに関連したところではどうですか?Tさん 住宅取得時には、本当にいろいろな手続きが必要になりますよね。ですからその時に契約した火災保険は忘れられがちで、後々トラブルになることがあります。特に住宅ローンを組むときの火災保険は契約が急がれがちなので、契約期限間際になって「とにかくなんでもいいから契約手続きを」となってしまうこともあるんです。
清水 なんでもいいからといった契約の仕方では、あとでトラブルにつながるかもしれないですね。
Oさん 早めの準備をすることで、契約内容をよく知ることもできますし、その結果、トラブルも防げるはずです。時間的な余裕があれば、自分の意向に沿った火災保険を選んで納得して契約することができるのではないでしょうか。
清水 補償内容や保険期間によって、保険料にも大きな差が出ますしね。前もって準備すれば家計にもいい影響がありますよ。
Tさん 対面販売では、お客様が望んだ時にすぐ契約ができます。なのでコールセンターに電話すれば今日すぐに契約できると思うお客様がいらっしゃいますが、申込みは郵送で書類のやり取りをし、ある程度の時間が必要なので、すぐ契約ができるわけではないのです。ここはぜひご理解いただきたいところです。
Oさん 早めに相談していただけたら、お客様が納得して選んでいただけるような、いろいろな提案もできるんです!
清水 時間的余裕を持って検討することは、納得してきちんと役立つリーズナブルな契約につながるということですね。
Tさん 結局、勧められるまま、補償内容は丸ごとお任せにしてしまって、ただ契約を急いでも、結果的にお客様のためにならなければ仕方ありません。
清水 なるほど。住宅ローンを組むときには、火災保険は1~2か月前など早めの問い合わせをすれば、余裕をもってご自身が納得のいく契約が可能になるのでおススメなのですね。勉強になりました。今回は、大変貴重なお話をお聞かせくださり、ありがとうございました。
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