7. Collonil 1909 Supreme Crème De Luxeの黒
Collonil 1909 Supreme Creme De Luxeの黒は、M.Mowbrayシュークリームの黒に比べ赤味と黄味が濃く、前回採り上げた「青地に白のSAPHIR」と似たような色合いです。前任者たるDiamantに比べても濃さが増しています。
このモデルチェンジで色調も若干変化し、簡単に申せば従来のDiamantに比べ明らかに1トーン濃くなり、補色力が俄然増しています。「モゥブレィの黒」と比べても赤味・黄味がより増してくっきりとしており、前回の記事で紹介した「青地に白のSAPHIR」と極めて良く似ています。その一方で光沢に関しては、これら3つのクリームに比べ殆ど違いが無く、違和感のないものになっています。
Collonilの商品は伝統的に水のように柔らかな使い心地のものが得意な中、ひたすら滑らかだったDiamantに比べ、こちらには僅かにトロッとした要素が加わっているのも特徴かも知れません。シダーウッドオイルやラノリンが主成分なのはそれと同じですが、こちらには撥水性をより高めるためフッ化炭素樹脂(簡単に言うと、鍋の焦げ付きを防ぐテフロン加工の原材料と類似したもの)を添加しているので、それが粘度の変化に影響しているのかな? 自然な印象が際立っていたDiamantに比べ、この1909シリーズのSupreme Crème De Luxeはそこから更に一歩踏み込んで、革を守る方向性を強化した商品と言えそうです。